横浜市YouTubeチャンネルで現在公開中の、「やまゆり園事件」に関する講演動画に出演する 最首(さいしゅ) 悟さん 白根在住 85歳
人は頼り頼られる存在
○…相模原障害者施設殺傷事件(やまゆり園事件)を起こした被告と、手紙などをやり取りする中で感じたことを講演動画にまとめた。事件への思いを新聞投稿にしたためたところ、それを見た被告(当時)から3年前に手紙が届き、以来返信を続けその数は42通に及ぶ。「被告の持つ優生思想は『より良く』を求める学問の下地でもある。一方で、命は測りがたいもの」と語る。人間は誰しもが頼り頼られる存在――「頼り頼られるは一つのこと」を人生訓に掲げ人間関係の基礎とする。
○…重い知的障害で盲目の三女・星子さんの存在が「人生のアンカー(錨)であり守護神」と微笑む。自身が40歳の時に誕生した星子さんはダウン症で、8歳で失明後は言葉を一切発しなくなった。何もできなくなる中、妻は「したくないことはしなくていい」と強制せずに自然体で受け入れた。「社会は人の価値を生産性で測る側面があるが、無理せず甘えていいと星子を見ると思う」。あなたがいて、私がいる。相手を立てて暮らす「二者性」の考え方が人生を穏やかにする。
○…小学校は喘息で3年間通えず、年下の学年に復学。成績優秀で全国模試1位を取る秀才ぶりを発揮し東京大学に進んだ。「受験の神様なんて呼ばれたりもして」と照れくさそうに笑う。生物学研究者として東大で助手を27年、その後和光大学教授に。現在は名誉教授。地域では町内会長を6年務め「人々の考えに触れるのが興味深い」と学者の側面を覗かせる。
○…自宅の地下室には図書館さながらに本が所狭しと並ぶ。自身もこれまで10冊以上を執筆。「ツイッターなどのSNSは10年間毎日投稿し」思いを言葉にしている。常に学び、情報発信し続ける姿勢が若々しい感性を保つ秘訣に違いない。
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