旭区・瀬谷区 社会
公開日:2023.05.11
亡き先代の思い、結実
二重(ふたえ)交通旧本社跡にホテル開業
相鉄線近くの二俣川駅厚木街道沿いに4月28日、ビジネスホテル東横イン二俣川北口がオープンした。同ホテルは海外を含め342店目。神奈川県内では26店目で、旭区内では初めてのオープンとなる。
オープンに先立ち、本村神明社の伊佐地誠嗣宮司による神事と関係者らによるテープカットが行われた。
地元・二俣川に貢献
テープカットの際、並んだ関係者の間には、一人の男性の写真が椅子に置かれていた。昨年11月に急逝した地元のタクシー会社、二重(ふたえ)交通株式会社の前社長・篠崎智雄さんだった。
ホテルは同社の元本社があった場所。ホテルの建設計画は、智雄さんが社長の時代に持ち上がったものだった。
智雄さんは、今ほど自家用車が普及していない半世紀以上前の1971年。「地域の足を作りたい」と二俣川駅周辺になかったタクシー会社を立ち上げた。二俣川がまだ村だった頃から旭区に住む智雄さん。地元への感謝の思いから、引き受け手のいなかった二俣川駅と鶴ヶ峰駅の区間を走るコミュニティバスの運行にも名乗りをあげるなど、地域貢献活動に心を砕く人だった。
ホテルの建設計画は今から5、6年前。同じ二俣川にある神奈川県立がんセンター(中尾)の関係者から「二俣川駅の近くにはホテルがなく、遠くから来る患者の家族が宿泊できない」という話を聞いた智雄さんが、病院利用者らの利便性を図るため、2019年に本社ビルを移転し、そこにホテルを建てる計画を打ち出した。計画当初は20年の秋完成の予定だったが、新型コロナの影響などもあり、大幅に遅れ、残念ながら智雄さんは完成を見ずに帰らぬ人となってしまった。
智雄さんの写真を手にオープニングセレモニーに参列した現社長で智雄さんの孫にあたる篠崎友希さんは「ようやくオープンになって良かった。先代社長は地元の人が喜ぶことを、自分のことのように喜ぶ人だったので、完成を誰よりも喜んでいるのでは」と写真の智雄さんを見つめた。
同ホテルの中川浩美支配人は、竣工前の地鎮祭に手伝いとして参加したそうで、支配人として携わることに「縁を感じている」と微笑んだ。オープニングに合わせた求人も地元の応募が多かったそうで「地元愛が店舗の愛情につながってチームワークにつながれば」と期待を寄せた。
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