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旭区・瀬谷区 文化

公開日:2025.07.24

鶴ヶ峰・喜久屋青果店
名物看板猫が見納め
7月末の閉店に合わせ

  • レジ横でくつろぐ「めいちゃん」

  • 閉店する喜久屋青果店

 鶴ヶ峰駅前にある「喜久屋青果店」が、7月いっぱいで閉店し、69年の歴史に幕を下ろす。地域住民をはじめ多くの人に愛されてきた「めいちゃん」も、閉店に合わせて同店の看板猫から”引退”となる。

 「めいちゃん」は9歳の雄猫。体重は約6kgと大柄だ。約9年前に、店主の中村寿男さん(75)がネズミ除けとして知人から譲り受けたという。中村さんの自宅には保護猫などが6匹いるというが、「人が好きでおちゃめ」なめいちゃんが自然と店先で過ごすようになり、同店3代目の看板猫として定着した。

 キャットフードを好んで食べるが、野菜の葉っぱや生姜なども食べるという。

 普段はレジの横や野菜の空き箱、隣にあるパチンコ店の軒先で気ままに過ごす。客や通行人に撫でられたり”挨拶を交わす”場面が日常となっている。

地球の裏から会いに

 4年ほど前から、そんな様子を色んな人に見てもらいたいと、中村さんの家族がSNSや動画サイトで発信し始めたところ、大きな話題に。大阪や北海道など、他県から毎日のように人が訪れた。さらに、動画を見たとウルグアイから来た人もいたという。

 常連客も、別れを惜しむ。50年ほど同店に買い物に訪れているという、神奈川区在住の80代女性は「会えなくなったら寂しい」と話した。

 今後は、SNSや動画サイトでの発信は続けていくとのことだ。

「街が寂しくなる」

 喜久屋青果店は1956年11月に現在の場所で開店。中村さんは2代目の店主だ。

 店主の体調不良や身内の病気が閉店理由とのこと。子どもがいるが、店は継がないという。「売上が厳しいという状況もあり、数年前から閉店を考えていた。寂しいが、このタイミングでピリオドを打つと決めた」と中村さんは述べる。

 開店当初はスーパーマーケットもなく、近隣の肉屋や魚屋も合わせて多くの客で賑わったという。ただ、「時代の流れもあり、肉屋や魚屋など小規模の店がどんどん閉まっていった」と中村さん。駅周辺にスーパーマーケットが多く軒を連ねる現在は、厳しい状況だったという。

 「個人経営の店としては商店街でも1番古い。寂しくなる」と話すのは、鶴ヶ峰商店街協同組合の近藤二義(つぐよし)理事長。めいちゃんの写真を撮るために店を訪れる人も多く、名物になっていたという。「昔は小売店がいっぱいあったがみんな閉店した。また賑わいが無くなってしまう」と語った。

 閉店後の跡地は、テナントが入るかなど含めて未定とのこと。

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