7月22日にミニライブを行う、「尺八遊吹(ゆうふ)く会」代表の 原田 輝夫さん 名瀬町在住 69歳
最新技術で尺八楽しむ
○…団体名「尺八遊吹(ゆうふ)く会」には「遊ぼうよ」という意味を込めた。それを体現したかような景色が自宅に広がる。庭に増築した作業室があり、そこで作った水道管製の尺八が並ぶ。またパソコンを開けば自作の楽譜や録音音源が無数に保存されている。「趣味なんだから、楽しまなきゃしょうがないじゃん」。7月22日のライブでは、そんな遊び心を曲に乗せる。
○…10年ほど前、水道管を活用した尺八の作り方をテレビで見て、「自分でも作ってみよう」と思い立ったのがきっかけ。当初はものづくりへの興味から始めたが、吹いてみるとその音色の魅力に取りつかれた。「昔の好きだったチャンバラ映画に流れていた音を思い出しちゃったのかな」。中学時代の同級生と結成した同会は初心者ばかりだが、円滑に練習できるようパソコンの楽譜制作ソフトやタブレットの録音アプリなど最新技術を駆使。成果は近隣の老人ホームなどで披露している。
○…技術者としてソニーに入社し、自社製品をより充実させるための研究所などに勤務。設計から部品調達、組み立てまで行った。時代ごとの最新技術に携わってきたからこそ、現在のパソコンが持つ高い能力には思い入れも大きい。「技術の進歩はすごい。ところが」と一尺八寸の竹筒を指さして言う。「尺八のかたちは一向に変わらないんだな」。自然が育んだ竹とそこから生まれた楽器の姿に、何とも言えない愛着が湧くのだという。
○…演奏曲のジャンルは童謡から最新ポップスまで縦横無尽。古典の曲に限らないのは、魅力を多くの人に知ってほしいからだ。自身が開設するウェブサイトには、これまで培った尺八の知識を積極的に披露している。「なんとか楽しさを伝え、すそ野を少しでも広げていきたいね」と話した。
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4月18日