とつか歴史探訪 ■〜旧東海道・戸塚宿を訪ねる〜第61話 〜時宗のお寺(冨塚山)親縁寺(しんねんじ)〜
冨塚山 雙林院親縁寺 時宗のお寺です。以前は、真言宗のお寺だったといわれていますが、元応二年(1320)ころ、遊行四世の呑海上人が時宗に改宗し開基となり、覚阿和尚が住職になられたといいます。昔は、大坂下にあったといわれていますが、三十二代の智元和尚が、明和元年(1764)現在地に本堂を建てたといいます。
ご本尊は木彫りの、阿弥陀三尊立像(阿弥陀如来像を真ん中にし、左に観世音菩薩、右に勢至菩薩を配した三尊形式)鎌倉時代後期から南北朝前期の作といわれています。
時宗は鎌倉時代末ころに興った浄土系の仏教の一宗派で開祖は一遍上人、総本山は藤沢市の清浄光寺(通称・遊行寺)です。寺号は、三縁(親縁、近縁、増上縁)によるそうです。
境内別棟に地蔵堂があり日限地蔵が安置されています。その前にはここで開かれた鎌倉俳句会での高浜虚子の句「茂り中 日限地蔵の 旗つづく」の句碑があります。お寺の境内階段を上った右手には一遍上人に時宗開宗を目覚めさせた熊野権現を祀るお堂が、左手には大きな青銅の地蔵像がありお供えが絶えません。また、境内の樹木の滴る緑の中の鐘楼は茅葺の優雅なもので、並んで立つ樹齢300年ともいわれる銀杏の大木は秋には散り落ちる銀杏の葉を浴びて筆塚も優雅な姿を見させてくれます。春には牡丹が綺麗な花を咲かせます。雨に弱い牡丹の花に傘をさす光景は戸塚かるたにも詠まれています。
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4月18日