相鉄線ゆめが丘駅から徒歩１分「ゆめが丘総合病院」新病院長に齋藤知行氏就任

27の診療科を擁するゆめが丘総合病院

2025年4月に就任。整形外科専門医として横浜市立大学などに勤務

　相鉄線ゆめが丘駅から徒歩１分の場所にある「ゆめが丘総合病院」の病院長として2025年４月、齋藤知行氏が就任した。

　齋藤病院長は1979年横浜市立大学卒業。海外留学で、関節リウマチと変形性膝関節症などの研究に従事した後、横浜市立大学整形外科講師、助教授や教授を務め「医師の卵」の育成にも注力してきた。

　2018年からは横浜市立脳卒中・神経脊椎センター病院長も歴任するなど、多様な経験を持つ。整形外科医の45年間のキャリアで変形性膝関節症などの手術を数千件担当してきたが、やりがいを感じた出来事が多々あったという。

　「人工関節手術の術後、経過が良好になるとお化粧をして明るい顔となり通院されたシニアの患者さんがいた。心身はつながっていると改めて認識した瞬間だった」と振り返る。

　高齢化が進行するなか、「足腰の健康」の重要性は一層高まっている。

　「まずは自分の足で歩き続けること。歩けなくなると、筋力が落ちるだけでなく、認知症になるリスクもあがります」

　またよく予防医療として「ウォーキング」が勧められているが「１日に何歩必要か」との質問をよく受けるという。齋藤病院長は「歩数ではなく、いかに習慣づけられるかが大切」と話す。1週間に1回、1万歩を歩くよりも週に2回5000歩を歩く方が体に良いという。

　「最適な歩数は個人の身体能力によって異なる。ひざに負担をかけすぎないことも大切です」と指摘する。

「24時間365日『断らない医療』」

　27の診療科と病床数156床を擁し、救急搬送を多く受け入れる二次救急病院Bの顔を持つ、ゆめが丘総合病院。「24時間365日『断らない医療』」を掲げ、初期治療だけでなく入院治療や手術まで一貫しておこなう。

　高度な医療機器の配置のほか、手術室を３室備える環境で患者を受け入れている。同院では「早期治療、早期離床」を目指して、多職種が連携しチーム一丸となって患者の治療にあたっている。

患者と家族に寄り添うリハビリ

　2024年春に開院したゆめが丘総合病院。施設内は開放的で明るく、清潔感にあふれている。

　リハビリテーション施設は、広々としたトレーニングルームや多数のリハビリ機器を備えるほか、言語聴覚室も完備するなど充実している。

　「一人ひとりに合ったリハビリをすることで、いかに早く日常生活に戻ってもらえるかが高齢者医療においてとても大切なことです」と齋藤病院長。

　リハビリテーション科では患者だけでなく、病気やけがに関する情報提供や自宅でのケアの方法など家族へのフォローも行っている。

健診プラザで「健康寿命を伸ばす」

　本院とは別に人間ドックや各種健診を受けられる、独立した「健診プラザ」が隣接する。

　健診プラザは渡り廊下で本院とつながっているため、検査で異常が見つかった場合でも本院でシームレスに受診でき、各種疾患の早期発見につなげることができる。

　また毎週火曜日には無料の健康相談を実施（予約制）。「がん家系だが、自分も検査を受けたほうがいいのだろうか」「検査で異常値がでたが、何を改善したらよいのかわからない」といった悩みに医師や保健師が応える。

　「現在、健康寿命と平均寿命の差は男性で８歳ほどあります。この差をいかに埋めていくかが大切です」と齋藤病院長。積極的に健診や人間ドックを受診することで、生活習慣病の危険性など自分の健康状態を把握してほしいという。

街とともに育む「地域医療」

　ゆめが丘総合病院周辺には大型商業施設「ゆめが丘ソラトス」があるほか、２０２６年には大規模マンションも完成予定。

　そうした変化する街のなかで齋藤病院長は「開院から１年半がたち、搬送されてくる救急車の台数や健診を受けにきてくださる方も増え、そういった意味ではようやく地域医療としての役割を果たしはじめてきたかなというところです」と語る。一方で「当院にできる役割はまだまだあるのではないか」といい、今後は病院の方から地域に出ていき「運動施設などで個人の身体機能に合わせたトレーニングを指導するなど予防医療の観点から支援をしていきたい」と意識を示す。