高校生チームが社会人チームに勝つ――全日本総合バスケットボール選手権(オールジャパン)に出場した県立金沢総合高校は、そんな快挙を成し遂げ高校勢としては49年ぶりとなるベスト8に入った。
オールジャパンは同校の前身・富岡高時代から35年間バスケ部を指導してきた名将・星澤純一監督(60)にとって最後の大会。それだけに監督を慕う選手たちの「全部出し切る」という気持ちは強かった。
ベスト8を決めたのは1月3日、全日本社会人選手権で優勝した秋田銀行と対戦した3回戦。「今大会はディフェンスがよかった。全員で守りきることができた」と清水麻衣コーチ(25)が話すように、選手一丸となって執拗にボールを追った。結果、失点を抑え69対50で勝利。続く準々決勝はWリーグのデンソーアイリスを相手に善戦したものの、62対86で敗れた。
「体のあたりが強く、デンソー戦は第3ピリオドで体力の差が出てしまった」という宮澤夕貴主将。だが選手たちは「弱気なプレーはできない」と、最後まであきらめない姿勢で挑めたと充実した笑顔をみせた。
14日に初戦を迎える県大会では、3月に退任する星澤監督に替わり、清水コーチが指揮をとる。「今大会で下級生たちも間近で試合を体感し、いいディフェンスイメージがついたと思う。この経験を生かし、大会に繋げていく」と清水コーチ。2年生で唯一、オールジャパンに出場した稲井桃子選手は「今までは先輩に頼ってしまうところがあったが、もっと責任を持ってプレーをしていきたい」と意気込みを見せる。バスケを通して生き方まで教えていたという星澤監督の精神を受け継ぎ、「県立高校の星」金総女子バスケの新たな歴史が幕をあける。
|
<PR>
金沢区・磯子区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|