「ブタのサラダ」の意味を持つ タンポポの ろくろっ首版「ブタナ」 日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(富岡西在住)
最近区内で特に繁殖している帰化植物の一つに、この「ブタナ」があります。初夏から秋の終わりごろまで咲き続け、道端、空き地、公園、土手、山野の明るい場所等いたるところで見ることができる多年生草本です。今では、全国どこでも見られ、登山者に付着した種子で、亜高山帯まで進出しています。
ヨーロッパ原産ですが、アジアや北アメリカにまで勢力範囲を広げており、根が少しでも残っていれば直ぐに復活する繁殖力の強い帰化植物です。1933年に北海道で発見され、フランス名の「サラド デュ ポール」(ブタのサラダの意)から、日本名「ブタナ」と命名されました。また、花がタンポポに似ていることから「タンポポモドキ」という別名もあります。ちなみに英名は「キャッツ イヤー」(ネコの耳)。ブタが食べるサラダかどうかは定かではないが、人が食べるには向いていないようです。
茎は丈夫で、細長く、特に草むらの中ではヒョロヒョロと長く伸ばすので、まるでろくろっ首版のタンポポといった感じです。茎の先端に花をつけますが、途中2〜3本に分かれることがあります。
葉には2つのタイプがあり、一つは、生育環境により形を大きく変化するロゼット状の根生葉、もう一つは、茎の途中にある小さな鱗片葉、これはほとんど葉の原形をとどめていない退化した葉です。
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