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公開日:2025.12.26

「除夜の鐘」つける寺社は?
藤沢市内5カ所を紹介

  • 市内の鐘(左から時計回りに)遊行寺、天嶽院、妙福寺、本立寺、宇都母知神社

 今年も残すところあとわずか。新年を迎える前の風物詩が「除夜の鐘」だ。大みそかの夜から元旦にかけ、寺社で厳かに響き渡る鐘の音。人間には煩悩と呼ばれる迷いや苦しみの原因が108あるとされており、心に巣食う煩悩を払い清める響きとともに一年を振り返り、新たな年への希望を込める役割がある。市民も参加できる除夜の鐘の一部を紹介する。

遊行寺

 「ゴーン」――。境内に響き渡る鐘の音は、庭木を縫うように周辺地域へと流れていく。

 開山700年を迎えた時宗総本山遊行寺の梵鐘は、午前5時と午後4時30分(夏季は5時)になると、修行僧が釣り鐘を鳴らす決まりだ。15秒に1回、計6回。同時に叩く太鼓の音とともに、近隣住民らにとって時報の役割を果たしている。

 鐘楼は南北朝時代の1356年に造られ、文化庁の「登録有形文化財」にも登録。梵鐘の高さは168cm、口径92cm。遊行8代・渡船上人が自筆した「南無阿弥陀佛」の文字も刻まれている。

 大みそかには、除夜法要が執り行われる。事前に申し込み、志納金1千円を収めれば1回鐘をつける。午後11時45分から108回で終了。

 【所在地】西富1の8の1/【電話】0466・22・2063

天嶽院

 戦国の名将・北条早雲ゆかりの古刹としても知られ、900有余年の歴史を誇る禅寺が天嶽院。並木道を進むと、左手に鐘楼が見える。

 大みそかの午後11時30分から打ち出しを開始。地域に開かれた寺院として、誰でも自由に除夜の鐘を鳴らすことができ、毎年参詣する近隣住民らでにぎわう。

 参詣者には、そばと汁粉の振る舞いもある。

 【所在地】渡内1の1の1/【電話】0466・22・0151

妙福寺

 妙福寺は1603年、徳川家康の側室・お万の方が帰依した高僧・日遠上人を開基開山として創建された。

 大みそかの午後11時から、境内の除夜の鐘をつける。また翌1月1日(木)午前0時からは、本堂で小林海武住職による新年初題目も聴ける。

 本堂・客殿は開放され、座敷でくつろいで夜を過ごせる他、0時30分からは無料で甘酒が振る舞われる。

 【所在地】打戻2587/【電話】0466・48・4151

本立寺

 日蓮宗の本立寺では、大みそかの午後11時45分から住職による点打法要が執り行われる。その後元日午前1時までは誰でも鐘をつける。

 また数量限定で今回初めて甘酒が用意される。

 【所在地】辻堂神台2の2の48/【電話】0466・36・8985

宇都母知神社

 宇都母知神社の歴史は古く、平安時代中期にはすでにあり、相模国十三社の一つとされる。平安時代に作成された『延喜式神名帳』に名を連ねる古社の鐘は、第二次世界大戦中の「国家資源総動員」により国に献上されたが、1975年に昭和天皇即位50年・社殿再建50年を祝って復元された。

 神社のため除夜の鐘とは別だが、大みそかの午後11時30分頃から鐘の打ち出しを開始。元日午前0時からは、同社総代たちが作る豚汁や甘酒も提供される。御厨浩和宮司によると「大変おいしいと評判です」という。

 【所在地】打戻2662/【電話】0466・48・9633

* * *

 多くの人でにぎわう年末年始。自らの手で鐘をつき、その響きを心静かに聞く時間は、特別な思い出となるのでは。

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