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iPS細胞で臓器作製へ 市大・谷口教授らの研究進む

経済

公開:2012年11月8日

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谷口教授
谷口教授

 横浜市立大学大学院(福浦)の谷口英樹教授(49)らは、ヒトiPS細胞を用いた再生医療プロジェクトを進めている。京都大学の山中伸弥教授がノーベル医学・生理学賞を受賞したことで注目が高まる分野で、ヒトiPS細胞から肝臓の細胞・組織を作製する技術確立を目指している。

 同チームは今年6月、マウスの体内で約5㎜の人間の肝臓を作り出すことに成功した。ヒトのiPS細胞から細胞を作る技術はこれまでにもあったが、立体構造を持つ臓器の作製は初。iPS細胞から分化させた「臓器の芽」をマウスの頭部に移植したところ、人間の血管網を作り臓器へ成長したという。谷口教授は、「他の研究チームはまず肝細胞を作ってから臓器へという考えで、研究を進めていた。私たちは、臓器を作ってそこから細胞を採取する発想でやってきた」と話す。さらに研究を進め、医薬品の製造過程で行う安全実験や肝不全患者への移植に利用したい考えだ。

臓器再生への熱き思い

 谷口教授が「細胞再生」でなく「臓器再生」に強い思いを寄せるのは、肝臓の移植外科医として歩んできた経歴と無関係ではない。「細胞注射で治療効果のある部位は限られている。肝臓の治療には、臓器移植が起死回生の代打逆転満塁ホームランのようなもの。そのためには臓器再生が欠かせない」と熱を込める。患者の治療が、研究を進める上で大きなモチベーションだ。「今はまだ『不完全な肝臓』だが、10年をめどに技術を確立し、コストダウンや安全性などの課題を改善していきたい」と話す。

 横浜市は昨年12月、県、川崎市とともに「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」の指定を受けた。現在、国からの規制緩和や税制の優遇、財政・金融上の支援を受け、京浜臨海部を医療分野の産業、研究開発の拠点とする取り組みを進めている。すでに7分野16プロジェクトが進行中で、谷口教授の研究はこのうちの1つ。市は5年間で3千億円の経済波及効果を見込む。

 医療分野は激しい開発競争が繰り広げられており、新薬一つで1千億円規模の市場が生まれると言われている。市は「一つのプロジェクトが成功すれば、中小企業の受注増や雇用の増加など波及効果も大きい」と期待をこめている。

 【ipS細胞】…受精卵のような多能性を持つ万能細胞。成人の血液や皮膚の細胞に特定の遺伝子を加えることで作製できる。

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