青少年地域活動拠点「カナカツ」(洲崎町)を運営するコロンブスアカデミー事務局長 福島 恭子さん 磯子区在住 34歳
一人ひとりを「えこひいき」
○…4月からスタートした「カナカツ」。開設から半年が経ち、小中高生の憩いの場として定着してきた。「これからは、利用者が『つくる』場にしたい。そして、自分たちの地域を好きになってもらえれば」。初のイベントとなる18日の「秋マツリ」も、そんな思いから企画した。若者やボランティア、地域住民も巻き込んだイベントを目指す。
○…「頑固でせっかち。でも、行動力はあるのかも」と笑う。学生時代、独学で保育士の資格を取るも、世間は「氷河期」真っ只中。「保育科で学んだわけでもなく、つてもない。周りが就職を決める中で、どうしようと思って」。そこで浮かんだ妙案が、保育園へ直接自分を売り込む「電話営業」。念願叶い、地元・千葉県の私立園にみごと採用された。その行動力で、自分の道を切り拓いた。
○…保育士生活で芽生えたのが、一斉保育への疑問。「一人ひとりのニーズはちがうのに、誰にでも一律の対応でいいのか」。そんな思いで、4年半後に社会福祉士を目指し専門学校へ入学。ボランティアとして訪れたのが、コロンブスアカデミー(磯子区)だった。不登校や引きこもりなど、異なった事情を抱えた子どもたちが、自立をめざして共同生活を送る寮。「それぞれに『えこひいき』して良い場所がそこにあったんです。だから、就職を決めました」。子どもたち一人ひとりと時を過ごして、変わっていく姿を見る。今でもそれが一番のやりがいだ。
○…現在は3人の子宝に恵まれ、目下子育て中。「子どもとの時間が一番尊いですね」。それぞれと1対1の時間を持ち、わが子への「えこひいき」も忘れない。そんな根からの「子ども好き」には、胸に秘めた「野望」も。それは、授乳期の母親や父子家庭など、支援の輪が整っていない親子へのサポートだ。「いつできるかはわからないけれど、思いはずっと持ち続けていきます」。優しいまなざしで、そう力強く語った。
|
<PR>
|
<PR>