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金沢区・磯子区版 公開:2013年10月31日 エリアトップへ

連載 かねさわ地名抄 第21回「赤井」 文・NPO法人 横濱金澤シティガイド協会

公開:2013年10月31日

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正法院庫裏の井戸
正法院庫裏の井戸

 古代より平潟湾が大きく入り込み丘陵が背後に迫っている金沢区域では、飲料水としての水は大変貴重でした。「金沢七井」と言われる井戸のひとつに「赤井」があります。

 釜利谷東3丁目、赤井バス停を山裾に少し歩くと、真言宗赤井山正法院(しょうぼういん)があります。寺が発行するしおりには、以下のように書かれています。「弘法大師空海が関東方面に来られた時、水不足に困り地下水を利用する知識が無かった村人に疫病がはやり苦難にあえいでいた。お大師様は、この地に井戸を掘られ、井戸水を真言密教でお加持すると、たちまち赤くなり…」。今も正法院庫裏の一隅に、石組みの四角い井戸があります。

 江戸時代文化から文政にかけて幕府が編纂させた『新編武蔵風土記稿』には、「赤井村は久良岐(くらき)郡の南にあり、當村(とむら)及宿、坂本の3村、古(いにし)へ釜利谷の一郷なりしこと、村の名義は、村内正法院境内に赤井と稱(称)する名水あるに因(よっ)て起れりと云(いい)、地形高低ありて山間に水田を開き、山上に陸田あり、田畑相半し、土性(どしょう)は赤土砂交、或いは野土等なり、民家七十件、農耕の暇には薪を伐出して生産をたすく、村内に係る一條の往還あり」などと当時の様子が書かれています。

 1875(明治8)年、赤井村、宿村、坂本村は合併し釜利谷村になりました。釜利谷東に古くから住んでいる人への聞き取りでは、赤井の地名は「赤い水」に由来し、どこを掘っても赤い水(鉄分を含む)は出たようです。現在、「赤井温泉」、「赤井稲荷」、「赤井町内会館」等に名称を見ることができます。

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