戻る

中区・西区・南区 人物風土記

公開日:2025.12.18

ブリキのおもちゃコレクターの第一人者で、10月にみなとみらいに博物館を移転した
北原 照久さん
中区山手町在住 77歳

「ときめき」を追い求め

 ○…37歳の時、自身が持つレトロな雰囲気漂うおもちゃが元町商店街のポスターに使われた。訪れた横浜の石畳や古い洋館が残るおしゃれな街並みに胸が踊った。1年かけて物件を探し、山手の地にブリキのおもちゃ博物館をオープン。自身の憧れを形にした、米国のホームドラマさながらの店は多くの人に愛された。移転後も「コレクションを見て懐かしく思っていただけたり、新しい発見をしていただけたら幸せ」とにっこり。

 ○…大学時代にスキー留学をしたオーストリアで、古いものを大切にする文化に触れたことがコレクターとしての原点。安っぽさの代名詞であり、捨てられていくおもちゃに「当時の日本の職人の情熱や子どもの頃のときめきを見出した」。1年中クリスマスグッズを扱う店を開いたのも幼少期の記憶がルーツ。実家のスキー店が繁忙期を迎え、忙しくも楽しげに働く両親の姿が幸福の象徴として心に刻まれているからだ。

 ○…「開運!なんでも鑑定団」には初回から鑑定士として出演。「言葉のコレクターでもある」と自称しラジオや講演、執筆活動も精力的にこなす。多趣味で、52歳で始めたエレキギターでバンドを組みライブを行うほか、65歳で始めたピアノもかなりの腕前。「人や物、言葉との出会いが僕の人生を構成している」

 ○…集めた品とのエピソードを我が子のことのように話す。現在は1200坪の倉庫に大切に保管。「港があり、山と坂道があり、いつも新しい風が吹く横浜が大好き」といい、今の夢はセレクトした20世紀のおもちゃやポスター、現代アートなどを展示した『メガミュージアム』を横浜でつくること。「夢を持ち、実現することで次の夢を見ることができる」と、目を輝かせて語る。

    ピックアップ

    すべて見る

    意見広告・議会報告

    すべて見る

    中区・西区・南区 人物風土記の新着記事

    中区・西区・南区 人物風土記の記事を検索

    コラム

    コラム一覧

    求人特集

    • LINE
    • X
    • Facebook
    • youtube
    • RSS