【5】【最終回】横浜高校 長谷川寛之さん プロの道追い続ける
ただ一人の3年生レギュラーとして2年生主体の若いチームを束ねた。昨年夏、甲子園に出場した横浜高校野球部の元主将。現在は4月から進学する明星大学・野球部の練習に参加する。
左目尻には新天地で早速つくった傷が残る。「こんな怪我は中学以来…あ、それがここに入れたきっかけなんです」。中学3年で出場した関東大会決勝。ショートに飛んだゴロがイレギュラーし鼻を直撃。流血し、腫れあがった顔で続行を訴えた。その熱意が偶然試合を見ていた小倉清一郎コーチの目に留まった。始まりの傷に初心を思い起こす。
プロを夢見て小学生から打ち込んだ野球。「トップレベルの高校で試合に出て、まさか主将になるなんて」と話す。新入部員でメンバー入りしたのは一人だけ。いずれチームをまとめることになると、自覚を持って練習してきた。
甲子園の熱は今でも覚えている。雰囲気も景色もそれまで見てきた世界とは別物だった。「目指していた場所に立ってプレーできるんだと喜びが大きかった」。
「最弱」と呼ばれた代だが仲間に恵まれた。「お前にしかついていけないと言ってくれたから、前だけ見て主将ができた」。31人の同級生は宝だ。「どれだけ濃い3年だったか…卒業して顔が見られなくなるのは寂しい」と言葉を詰まらせる。
春から首都大学野球でプレーする。野球を続ける限り目標はプロ。「野球以外考えられない」と笑う。3年間で得た絆を胸に前進する。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>