日本で初めてのコインロッカーが1964年、新宿駅に設置されて半世紀が経った。設置したのは、区内福浦の総合ロック(鍵)メーカー・アルファだ。
現在多くの駅や商業施設に設置されているコインロッカーも、当初は受け入れられなかったという。アルファは地道な営業で魅力を伝え、普及に努めてきた。
同社は23年に創業。自動車の鍵や南京錠を製造販売していた。創業者の和田和一さんは60年に視察のため渡米し、コインロッカーを目にする。アルファロッカーシステムの柳内勝彦社長は「(和田さんは)日本でもビジネスにできると考えたのでしょう」と話す。
その後、米・フレキシブル社と技術提携。日本初となるコインロッカーを新宿駅に設置した。しかし利用者は伸びなかった。「当時、駅には手荷物預かり所があり、無人のロッカーへの抵抗感があった。使い方がわからない人も多かったようだ」と柳内社長は話す。
周知の方法は地道だった。ロッカーの前に説明スタッフを立たせることで、利用者に対し、使い方と安全性を知らせた。
販路の拡大にも余念がなかった。駅だけではなく、プールやスキー場などにも営業。預け入れの際の人手を減らし、利用料を収入にできる魅力を伝えた。
「地道な普及」海外へ
その後コインロッカーを製造する会社が増え、日本市場は現在「飽和状態」だという。そんな中、海外の市場拡大を進めている。「市場は主に中国。しかしまだまだ現地の人に浸透していないのが現状」と柳内社長。「ロッカーの前に人を立たせて、使い方の説明している。50年前と同じように、地道な普及を進める」と意気込む。
また新技術の開発にも積極的だ。最新型は電子マネーに対応するほか、4カ国語で使い方の説明を行う。「東京五輪が近い中で、外国の方にも快適に利用してもらえるようなコインロッカーを作っていきたい」
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