区内の名木古木【5】 称名寺の「ケヤキ」 男子誕生時は欅、女子は桐 日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(富岡西在住)
これから美しい紅葉の季節を迎えます。華やかなカエデやイチョウと違って、ケヤキの紅葉は、渋みのある大人の美を感じさせてくれます。ケヤキは金沢区内の街路樹に多く使用されており、散策時に紅葉を楽しむことができます。
名木古木に指定されているケヤキは、長昌寺(3株)、称名寺(3株)、手子神社、白山神社、瀬戸神社、金龍禅院でみられます。
ケヤキの由来は、気品のある樹形の様子から、「けだし、けやけき木」(明らかに優れている木)、また「顕著なる木」からつけられました。一般に漢字で「欅」と表しますが、万葉集には古名の「槻」で詠まれています。ちなみに欅は、中国でシナサワグルミを指しています。
コルク形成層でつくられた樹皮は、雲紋状に剥がれる特徴があります。冬が近づくと、葉を落としますが、その前に小さな果実をつけたままの小枝が落ち、風に乗って中の種を遠くまで飛ばします。
落葉樹の中では最も価値の高い木材の一つに挙げられ、屋根を支える丸い柱や、城門などに利用されてきました。
昔からの日本の風習で、女子が生まれると将来の嫁入りタンスの材料にするため、桐を庭に植えます。男子の場合には、孫の代になって家を新築する時、大黒柱にするためケヤキを植えたといいます。これは両樹木の寿命の違いと、成長の速さの違いでしょう。
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