第3回 アオギリとボダイジュ 金子さんの草花の不思議発見 奇妙な形をした果実 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(富岡西在住)
野山を歩いていると、変わった形をした実や種に出会うことがあります。今回はアオギリとボダイジュの果実の形についてのお話で、どちらも街路樹や庭木によく使われています。
アオギリは雌雄同株で、夏に小さな花をたくさんつけ、花後雌花は膨らみ、大きな円筒形の果実が数多く垂れ下がります。一つの果実(正確には心皮)は5つに裂け、細長い舟型状で、縁に2〜4個の丸い種子をつけます。舟型状は熟すと一枚ずつ枝から離れ、クルクル回転しながら風に運ばれます。
ボダイジュの実も大変ユニークです。6月頃葉の付け根から、ヘラ状の苞(花全体を保護する役目)を出し、苞の葉脈中央から小枝を下垂させ、その先端に2〜5個の小花をつけます。花が終わると下垂したまま丸い果実ができます。熟すと苞をつけたまま離れ、クルクル回りながら種子を運びます。ボダイジュの仲間には、日本産のシナノキ、オオバボダイジュ等があり、ヨーロッパにはシューベルトの歌曲「菩提樹」で有名なセイヨウボダイジュがあります。なおブッタが木の根元で悟りを得たのはインドボダイジュで、これはボダイジュの仲間ではなく、桑の仲間です。
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