金子さんの草花の不思議発見第10回 葉痕(ようこん) 雑木林で「動物似顔絵」探し 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(金沢区富岡西在住)
ハリエンジュ、オニグルミ、オオバヤシャブシ等の落葉樹は、秋に葉を落として休眠状態に入ります。葉が落ちた痕が、樹木により動物の顔や形など様々な模様をしています。こうした葉の痕を「葉痕」または「葉柄痕」といいます。葉柄の内部には水分や養分が流れる通路があり、樹木によってその位置が違うことや、葉柄の形が違うため、切口の模様が変わってきます。
例えば写真のように、ハリエンジュは「コウモリ」、オニグルミは「ヒツジ」、オオバヤシャブシは「サル」と、それぞれの顔のようにも見えます。
葉痕は枝にいくつも残っていて、似顔絵を楽しむだけではなく、その間隔が長ければ(広ければ)春から初夏に勢いよく伸びた茎であり、狭ければその年の生長時期が終わりに近づいた茎であることがわかります。
その他の葉痕では、サンショウ・ヤマグワは「子供の顔」、ガマズミは「こびと」、フジは「カモメ」、キハダは「ピエロ」等々。人により見え方も違うので、イメージを膨らませながら、いろいろと楽しむことができます。お子(孫)さんとご一緒に探してみてください。
なお、葉痕は古くなると次第に目立たなくなってくるので、新しい枝で探してください。
![]() オニグルミ(ヒツジ?)
|
![]() オオバヤシャブシ(サル?)
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>
2021年2月25日号