金子さんの草花の不思議発見第13回 ハナイカダとナギイカダ 葉の上に花を咲かせる木 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(金沢区富岡西在住)
花は一般に葉の付け根(葉腋という)に咲きますが、今回紹介する木は、葉(または葉状)の中央に花を咲かせる珍しい木です。ミズキ科の「ハナイカダ」とユリ科の「ナギイカダ」は、どちらも平らな葉(葉状)を筏に、中央の花を筏に乗る人に例えています。
ハナイカダは円海山周辺に生育する雌雄異株の低木で、春に花をつけ、夏に実が黒く熟します。よく見ると葉腋から花の部分までの中央脈が、先端部の葉脈より太くなっています。これは葉腋から出た花の柄が、葉脈と合併したためです。
ナギイカダは地中海沿岸原産の雌雄異株の低木で、金沢緑地や庭木として見られます。こちらも春に花をつけ、夏に実が赤く熟します。名の由来はナギという樹木の葉に似ているためですが、ハナイカダと大きく違う点は、花をつけている「葉」は、本当の葉ではなく、茎が扁平に変化したものです(葉状茎という)。本当の葉は棒状の茎に、白っぽく小さな鱗片状に退化しています。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>