金子さんの草花の不思議発見第15回 ドクダミ 普通の八重とは違う!? 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(金沢区富岡西在住)
八重ザクラ、八重ヤマブキ、八重ツバキ等、「八重」がつく花は多くあります。八重とは「8枚」ではなく、「たくさんある」時に使われます。前述の3種の八重も、多くの花弁を持っています。道端や庭等によく見られる「ドクダミ」にも、写真(右上)のように八重のものを見つけることができます。ただドクダミの場合は、八重ザクラ等の八重とは大きな違いがあります。サクラ、ヤマブキ等の八重は、一般に雄蕊が花弁に変化したものですが、ドクダミは苞葉という部分が、白く花弁状になったものです。
通常見ている4枚の白い花弁状は総苞片といい、花全体を保護しています。ドクダミの花は、中央に黄色く長い穂状(写真左上)の部分で、多くの花が集まっています。この花穂には小さく緑色をした目立たない苞葉がたくさんあり、この小さい苞葉が白く花弁状に変化すると八重状のドクダミになります。下の写真は、6花弁状のものです。
ドクダミの名は、薬効があるので「毒痛み」、「毒ため」がその由来です。強烈な臭気のため、日本ではあまり人気がありませんが、欧米ではハーブとして、また十字状に花が咲くので、教会に観賞用として好まれています。
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