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文部科学大臣表彰受賞者に聞く

社会

公開:2019年5月16日

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谷口英樹教授
谷口英樹教授

iPS細胞でミニ肝臓創出

 同大学学術院医学群の臓器再生医学教室の谷口英樹教授は「iPS細胞を活用したヒト臓器創出を目指す戦略的研究」を続けてきた。

 谷口教授の研究グループは2013年にミニ肝臓ともいえる立体的な肝臓の器官原基(オルガノイド)を創出。世界で初めてヒト臓器の創出を可能とする基礎技術を確立した。その後、大量製造法の確立や培養期間の短縮、コスト削減などの課題を改善。いよいよ難治性肝疾患に対する臨床試験を開始するスタートラインに立った。

 横浜市大に着任した2003年、掲げたのは「臓器再生医学」という看板だった。「細胞すらできていないのに、”臓器”をつけるなんて」と周囲は猛反対。それでも意志は曲げなかった。その裏には日本の臓器移植の第一人者・岩崎洋治さんとの約束が。「肝臓を作ると話していた。『思いがある』ことが研究には大事。だからブレずにここまでこられた」と述懐する。

 論文を書くより患者を助けたいと、研究者と臨床医の両方の顔を持ち続ける。残された時間はあと10年ほど。さらなる目標に「ミニ肝臓を使った臨床で患者を助けること」「肝臓をまるごとつくること」を掲げる。「岩崎先生に天国で良い報告をするのが楽しみなんです」と笑顔で話した。

 横浜市立大学の谷口英樹教授(臓器再生医学教室)と松本直通教授(遺伝学教室)が、研究の功績が認められ文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を受賞した。4月17日には文部科学省(東京都千代田区)で表彰式が行われた。本紙では2人に研究にかける思いなどを聞いた。

病気の原因遺伝子を探る

 同大学学術院医学群の遺伝学教室の松本直通教授は、「多様なヒト遺伝性希少疾患の原因究明に関する研究」で受賞した。

 松本教授は約15年前に横浜市立大に着任し、遺伝子から病気の原因を探ってきた。2005年に高い能力をもったゲノム解析機器「次世代シークエンサー」が開発され、研究は一気に加速。試行錯誤しながら新技術を使った解析法を確立し、10年にこれまで未知だった疾患責任遺伝子の同定に初めて成功した。その後、40以上の病気の原因遺伝子を発見。松本教授は、「解析技術と研究分野がうまく合致した」と話す。

 大学を卒業後、産科医として働いた経験を持つ松本教授。当時遺伝病の診断は、母体を傷つけるリスクのある絨毛診断が主流で、その頃からDNA診断の普及の必要性を感じていたという。その後、学び直しのため長崎大学大学院へ。ゲノム解析の気運が高まっていた時代背景もあり、遺伝子学に興味を持った。

 「病気の原因となる遺伝子を見つけることは、病気のケアの第一歩」と松本教授。原因を提示することは患者やその家族の大きな救いになるとも。「直接患者に還元できる要素が非常に大きく、今後ますます求められる分野。これからも少しでも医療に役立つ情報を提供していきたい」と意気込みを話した。
 

松本直通教授
松本直通教授

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