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金沢区・磯子区 コラム

公開日:2019.10.03

台風15号 現場の声 (有)マルニ商店 寄稿
「前を向き、必ず復旧へ」

  • 被災直後の事務所内部

 「常務、福浦に車が近づけません」。早朝、ガラスびんの回収で得意先にいた私への浸水被害を伝える電話で、弊社の被災対応は始まりました。



 BCP(緊急時の事業継続計画)を定めたばかりの弊社でしたが、道路は大渋滞、定時に出勤できた社員はわずか、計画は次々に変更を余儀なくされました。



事業所内外と車両に被害



 事業所に着いた私の前には、見たこともない惨状が広がっていました。事務所の窓、扉はもちろん、二方向の壁が損壊、パソコン機器はなくなり、事務机キャビネットはなぎ倒され事務所の端にくっついていました。



 工場のシャッターにはトレーラーコンテナと自動販売機が突き刺さり、工場内に駐車していた運搬車両7台、フォークリフト5台も泥まみれの状態。BCP協力企業様にガラス回収車両の借用と作業代行を手配する中、社員全員で散乱物の片づけをしたり、幅6メートルのシャッターを自前の切断機で切断して車両の通行を可能にする作業は、停電で真っ暗になった深夜まで続きました。



 台風被害からしばらく経ち、海水にまみれた車両が毎日のように走行不能になってレッカー移動される一方で、行政による災害ごみの回収が進み、ゴミだらけの光景は見なくなりました。ようやく被災に関する行政の支援も本格化してきました。



 今後に向けて今思うのは、BCP計画を机上ではない、綿密なものにすること。そして、企業を存続し続けるよう努力すること。「これだけの被害に遭うと泣きたいし、呆然としちゃうよね。でもさ、社員のみんなも周りの会社さんも頑張ってるからさ、経営者は無理してでも笑って毎日やってこうぜ!」。弊社より甚大な被害に遭われた得意先の社長様から教えていただいた事です。



 最近、高1の息子と小学生の娘たちが、マルニ商店の社長になりたいと言い出しました。



 毎日笑顔で、前向きに、必ず復旧していきます。



文・写真



(有)マルニ商店=本社・西区浅間町/事業所・金沢区福浦



リサイクル業



常務取締役 栗原 清剛

 

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