金沢区・磯子区 コラム
公開日：2020.09.10
金子さんの草花の不思議発見！第46回 エノコログサ
ターボエンジンの光合成
文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇
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エコノログサ（写真上）とアキノエノコログサ（同下）
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枯れた穂（海浜散歩道）
夏から秋にかけて路傍や空き地に多く生育する「エノコログサ」は、別名「ネコジャラシ」といい、昔から親しまれてきた野草の一つです。
全世界に分布しており、「エノコロ」とは狗（イヌの尾）のことで、英名は「フォックステール」（キツネの尾）といいます。
エノコログサは光合成の働きが、一般の植物より優れた機能を備えており、茎の中で光合成に必要な二酸化炭素を濃縮して葉に送ることで、その機能は通常の約２倍となります。この機能は圧縮した空気を大量に送り込む車のターボエンジンに似ています。従って夏の高温、強光の中では他の植物より勢いよく生育することができます。しかし気温の低下や弱光では十分発揮できない欠点があります。
枯れた穂を見ると、無数の毛状が残っていますが、これは小枝が退化したものです（写真右）。
最近エノコログサによく似た、より大型で穂が長く、先が垂れ下がっている東南アジア原産の「アキノエノコログサ」が増えています。
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