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溢れる肉愛で旨さ探求 加藤牛肉店代表取締役 加藤敦さん(55)

社会

公開:2021年5月7日

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 金沢区磯子区で活躍する経営者を紹介する「社長列伝」。今回は金沢区富岡西にある精肉店「加藤牛肉店」の加藤敦代表取締役に聞いた。

◇   ◇

 1930年、加藤代表の祖父が本牧で創業した同店。三代目として経営を広げ、銀座や西麻布などでも飲食店を経営する。昨年、区内泥亀に山形牛を手軽に食べられる焼肉店もオープンした。「お肉博士」として、メディアへの出演も少なくない。

山形牛一筋20年

 同店で扱う牛肉は生産者指定のA5山形牛の雌のみ。かつては三田牛や松坂牛など様々な牛を仕入れていたが、20年ほど前に山形牛を紹介されてからは、山形牛一筋だ。

 加藤代表が山形牛にこだわる理由はもちろん「味」だ。山形牛は雌が多い。雌は脂の融点が低く、霜降り部分の口溶けが早くさらりとした後味に。また寒暖の差が激しい場所で育った牛の方が美味しくなるため、仕入れは山中で育ったトップクラスの牛が競られる山形市場に限っている。

 さらに、満足のいく牛が競られてなければ、買わないという徹底ぶり。「10日間買えないこともあった。後悔しながら売るのは嫌だから」とこともなげに話す。

 父親が倒れ、21歳からこの道に。以来、肉の美味しさを探求してきた。今でも、半頭買いした山形牛は、加藤代表自ら解体する。「脂を触れば、餌を変えたかどうかもわかる。牛も豚もやっぱり餌と水が大事」

 同店オリジナルの手ほぐしビーフは、「戦後食べた、進駐軍のコンビーフの味が忘れられない」という常連の想いから生まれた商品。肉そのものだけでなく、ハムやソーセージなどの加工品にいたるまで、味にこだわり提供している。

■加藤牛肉店=金沢区富岡西7の5の21【電話】045・772・3383
 

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