野島町内会館に来たユニクマ号で買い物をする住人ら
金沢区泥亀にあるショッピングセンター「ユニオンセンター」は今年７月下旬から金沢区野島で移動販売を開始した。同センターの移動販売車「ユニクマ号」は、祝日を除く毎週木曜日、乙舳（おっとも）町内会館（10時〜）と野島町内会館（11時〜）で、食料品や日用品を販売している。また、車に積んでいない品物でも注文すれば、翌週に配送してくれる。
「これが楽しみ」
取材当日、野島町内会館前ではユニクマ号の到着を待つ住民が会話に花を咲かせていた。「これが楽しみでね。お弁当が買えるし、みんなにも会えるし」と住民の一人は話す。到着すると、町内放送が流れて販売開始を知らせてくれる。
コロナ禍の地域貢献に
同センターの店舗から成る金沢商業センター協同組合は、毎年夏にイベントを実施していたが、２０２０年はコロナ禍で中止に。その予算で何か地域のためにできないかと組合員で相談し、昨年の４月ごろから「移動販売」を計画してきた。「全部が初めてのことで、どうすればいいのか、試行錯誤の連続でした」と理事の辻悠介さん（38）。区役所に「移動販売に来てほしい地域はないか」と相談したところ、野島周辺が候補にあがったという。
野島は島内にスーパーやコンビニエンスストアがなく、野島町内会は３年ほど前から、買い物に不自由してる地域住民のための対策を検討していた。野島町内会の前会長、原一義さん（78）は「バスは１日何便もないし、一番近いコンビニは橋を渡らないとない。『やっときてくれた』という思い」と話す。買い物だけでなく、おしゃべりを楽しんだり、家から外に出る機会にもなり「一石三鳥」と喜んだ。
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