街から書店が消えている。書店調査会社アルメディアによると、2000年に全国で2万1495店あったが20年には1万1024店と20年間で半数近く減少した。
約70年の歴史がある金沢区富岡西の高致堂書店は昨年7月、整骨院を併設しリニューアルオープンした。佐奈田恵美子さんが書店店主を、息子の敬浩さんが整骨院院長を務める。
「コロナ禍が始まった3年ぐらい前から、店を閉めることを考えていた」という恵美子さん。一方、敬浩さんは、もともと店舗を構える気はなかったものの、整骨院を併設して書店を残す方法があるのではと思いついた。「たまたまタイミングが合ったんだと思う」と敬浩さんは振り返る。改装後、書店の面積と蔵書数は半分以上減ったものの、売り上げはさほど変わらなかった。「本の注文はむしろ増えた気がする。すぐには手に入らないけれど、書店が地元にあるメリットを年配のお客様を中心に感じていただいているのでは」と恵美子さんは話す。
恵美子さんの祖父が開店した1950年代当初は、生活雑貨を中心に扱っていたという同店。60年代後半には文房具が6割、本が4割になり、その後徐々に文房具を置くスペースが減少し、ここ20年は本だけを販売してきた。時代のニーズとともに、姿を変えてきた同店にとって、今回の改装は必然だったのかもしれない。敬浩さんは、「書店で心や精神、整骨院で身体、地域の健康水準を高めるお手伝いができれば」と話した。
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