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金沢区・磯子区 社会

公開日:2023.04.13

区役所行バス要望四千筆超
横浜市「運行は考えられない」

  • 要請書を市担当者に渡す区役所行バスの会

 「並木地域から区役所行バスの運行を求める並木住民の会」(以下区役所行バスの会)は3月17日、山中竹春横浜市長あての要請書と第3次署名503筆を横浜市に提出した。累計署名数は4285筆。区役所行バスの会は市の中期計画で重点施策の1つに「日常生活を支える地域交通の実現」を挙げていることに触れ、並木地域から区役所方面に行くバスの運行を早期に実現するよう求めた。一方、市交通局担当者は、市営バスの厳しい経営状況を説明。「このまま赤字が続くとバス会社自体がなくなる」として理解を求めた。

 発端は2021年春、金沢区の富岡バスターミナルと金沢区役所を結ぶ路線バス94系統が廃止となったこと。1980年に運行を開始したこの94系統は40年以上にわたり並木住民の足として利用されてきたが、89年のシーサイドライン開業から利用者が減少傾向に。16号線を走る別路線のルートと重複することや赤字を理由に廃止が決定した。

 21年7月、市交通局は利便性向上のため周辺住民の要望を聞いた上で94系統の機能を補完する321系統を新設。三井アウトレットパーク 横浜ベイサイドを起点に、94系統の停留所だった富岡、宮の前、慶珊寺前、サブセンター前、富岡東中学校前、八幡公園前に停車し、国道16号線や京急線の駅に出やすいルートとした。

 しかし、住民有志は「区役所に行くためには国道16号のバス停で乗り換えなければならず、時間も料金も住民の負担が大きい」とし、22年2月に区役所行バスの会を結成。住民宅を回り署名活動を行い、5月に2707筆、9月に1075筆を山中市長あての要望書とともに横浜市に届けている。

赤字約10倍に

 21年度のバス路線別収支では新設された321系統は約3千万円の赤字で、20年度の94系統の赤字の約10倍だった。市交通局は321系統は初年度だった点や1日15便という運行数に課題があるとし、便数の見直しなどに言及したものの、「区役所行の運行は現状、考えられない」と話した。

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