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新出生前診断 受検率、7割台に減少 前相談が再考の機会に

社会

掲載号:2016年9月22日号

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 妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる「新型出生前診断」の導入から3年。県内初の導入機関、横浜市立大学付属病院(金沢区)では、検査希望者に対する遺伝カウンセリング後の同検査の受検率が、初年の92・2%から3年目には79・4%に減少していることがわかった。専門医のカウンセリングが、意思決定の一助になっているようだ。

 新型出生前診断の研究組織が7月、これまで全国で計3万615人が同検査を受検したと発表した。「命の選別」について議論が高まっている。

 初年から同検査を導入する市大病院では、8月25日までに2644人が受検。陽性判定は48人で、その後の確定検査で異常が認められた多くが人工妊娠中絶を選ぶという。全国的にも、染色体異常と確定された9割が中絶を選択している。

障害と向き合う機会に

 日本医学会の指針では、検査には事前の遺伝カウンセリングが必要だとしている。市大病院でもその重要性を踏まえ、羊水検査も含めて約50年前から遺伝相談に注力してきた。

 「授かった命を大切にしたい、障害児を育てられるかなど様々な葛藤を抱え相談にくる人が多い。傾聴して夫婦の自律的な決定を促すのが役割」と話すのは、同院でカウンセリングを行う医師の浜之上はるかさん(40)。相談者の95%が高齢妊娠を理由に訪れる。だが「障害者が生きづらい社会的背景もあるのでは」と指摘。不安に陥る原因は、将来の育児や病気への知識不足など様々だ。専門医から公平な情報をつかみ、夫婦が何に重きを置くのか考え、結論を出すことにカウンセリングの必要性を見る。

 受検しないと決断し、ダウン症候群の子どもを授かった夫婦もいる。「事前に相談を受けたから、受け止められたと話していた。検査の検討が障害と向き合うきっかけになれば」と話す。

 遺伝子解析の技術が進み、難病などの治療に光が差すようになった近年。一方で得られる情報をもとに出生前診断を望む声もある。浜之上さんは「遺伝子解析技術を優生思想につなげてはならない」と警鐘を鳴らす。障害がなく生まれても、後に重病を患う可能性もある。「誰しも健康な子を望むのだろうが、生まれる子にどこまで望み、どこで線を引くのか。よく考えてほしい」と話した。

※新型出生前診断…2013年に国内15施設で開始。胎児の3つの染色体異常の可能性を調べる。高齢妊娠やダウン症候群などの子どもの妊娠経験がある人などに対象を制限。現在、全国71施設で実施している。

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