港南台第一小学校を拠点とする「港南台剣道クラブ」には小学1年生から高校生、大人までが所属し、土曜夜と日曜午前中に稽古に励んでいる。指導者の叩く太鼓に合わせて子どもたちが竹刀を振り、体育館には気合いの入った声が響きわたる。43年続く同クラブは今でこそ活気にあふれているが、わずか3年前には廃止案もあったという。
「最盛期には100人ほどいた子どもたちが次第に減少し、10人未満になり、最終的には1人になってしまった。20年以上クラブを支えて下さった先生が高齢になってきたこともあり、このタイミングで廃止かという話に」
そう振り返るのはOBの山岸正英さん(46歳/六段)。公務員として働きながら、金沢区の大道中学校では20年以上剣道の講師を務めてきた経験があり、「育ててもらったクラブをなくしたくない」との思いで引き継ぎを決意した。
「楽しさ教えたい」
「昔ながらの武道100%ではなく、スポーツ的要素を加えながら『楽しく』やっています」と山岸さん。緊張感が張りつめたかと思えば、どっと笑い声がこだまし、「オンとオフが大事。良ければ思いきり褒める。けれど一番は、勝つことでしか味わえない楽しさを教えてあげたい」と語る。
また指導体制を強化すべく、関係者や保護者にも声をかけた。そんな中で加わった指導者の一人・亀井隼人さん(六段)は県警の剣道特別訓練員として警察官を指導するという実力の持ち主だ。
3年の間に剣士は少しずつ増え続け、今では30人ほどに。「3年前に今の状況は想像できなかった。人の縁に助けられている」。クラブは来年、初の全日本大会を目指す。
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