住民のアイデアで通りや坂道に愛称をつけるユニークな取り組みが専門家から高い評価――。港南区上永谷の「美晴台の道に愛称をつける会」がこのほど、公益社団法人日本建築士会連合会が主催する「第10回まちづくり賞」の優秀賞を受賞した。
「他の団体のまちづくりもスケールが大きくて素晴らしいものばかり。その中で自分たちの取り組みが優秀賞を受賞したのは驚いた」と話すのは同会メンバーで建築士でもある高森惇さん。
「まちづくり賞」とは、建築士が専門知識を生かしながらまちづくりを進め、成果をあげた活動を評価する表彰で2年に1度開催される。10回目の今回は全国から29団体の応募があり、そのうち8団体が「まちづくり大賞候補」として選考された。
「美晴台の道に愛称をつける会」は最上位の「まちづくり大賞」とはならなかったものの、それに次ぐ優秀賞を受賞した。審査員からは「道に愛称をつける取り組み自体の珍しさと近隣の自治会や建築士と一緒に継続して取り組んでいること」が評価された。
迷いやすい道わかりやすく
美晴台は道路が碁盤目状に整備され、戸建て住宅が建ち並んでいるのが特徴。ただ、目印が少なく、位置の特定が難しいため、道に迷いやすかったという。
そこで道に愛称をつけて地域をわかりやすくしようと、地域住民らが「美晴台の道に愛称をつける会」を発足。2014年から、各道路の愛称をつける活動やプレートの設置、道に親しむイベントなどに取り組んできた。
「愛称をつけたことによって、地域間のコミュニケーションも深まってきた」と同会の川上豊二会長。「愛称をつけた後、挨拶をする子どもたちやお母さんたちが極端に増えた。愛称をつけるまでの取り組みも関係していると思う」という。
地元の美晴台自治会の渡邊正一会長は「誰かのためになればと思いながら、自治会も連携しながら続けてきた。それが地域の輪を広げることにも繋がってきたと感じる」と話した。
今後の活動について高森さんは「道の名前がもっと地域に浸透して、自然に口から出てくるようにこれからもどんどん続けていきたい」と話している。
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