今月1日、市立学校で段階的に教育活動が再開した。栄区の豊田小学校では休校期間中、新型コロナウイルスによる苦境を乗り越えようと、垣崎授二校長が「思いやり」をテーマにした自作紙芝居の動画配信を始めた。
約3カ月間にわたり休校状態が続いた市立学校。緊急事態宣言解除を受け、1日から分散登校による少人数での短時間授業が始まった。
休校期間中の4月下旬、豊田小学校の垣崎校長は児童や保護者にメッセージを発信しようと知人の力を借りて紙芝居の動画配信を始めた。「思いやりの山」と題するこの作品は垣崎校長が原作を考え、前任校のPTAの協力を得て紙芝居に仕上げたものという。昨年4月に豊田小に着任してからも、朝礼で読み聞かせをするなどして児童たちに親しまれている。
同作は「思いやれない山」に住む自分勝手な動物たちが、山火事を乗り越えて他者を思いやることの大切さを知るというストーリーで、当初はいじめの撲滅・防止を目的に創作されたという。垣崎校長は「ウイルス自体も怖いが、世界ではそれに起因する差別などが起きている。思いやりの心があればこの状況を乗り越えられるということを伝え、ウイルスに負けない強い学校、地域になっていけたら。動画がひとつのツールになるといい」と思いを語る。
地元地域にも広がり
また垣崎校長は昨年度、近隣の幼稚園や保育園で紙芝居の実演をするなど地域にも作品を広めてきた。地元の長沼町内会では、作品に共感した毛利勝男会長が町内会ホームページで動画の紹介を始めた。毛利会長は「こういう状況だからこそ、ひとりずつが少しでも他者を思いやることが大切。町内会も存在意義が問われる」と話した。
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