戻る

中区・西区・南区 社会

公開日:2019.07.04

「身近な環境から明日を描く」
クラシデザイン代表 波柴純子さん(45)

  • 取材を受ける波柴さん

  • ライフデザインラボでコミュニティーマネージャーの一面も

 高校1年生の娘と4歳の息子を育てる母親でありながら、ファイナンシャル・プランナー(FP)の資格を持ち、クラシデザインの代表を務める波柴純子さん=中区在住=。「明日を私がデザインする」というコンセプトのもと、金融商品だけでなく、働き方や自己投資、ライフスタイルに対する価値観にアプローチする個別相談や企業、行政主催のセミナー講師を行っています。





シングルマザーきっかけでFPに





 娘が3歳のときから4年前までシングルマザーを経験。離婚時は、派遣会社に登録し一般事務の仕事をしていましたが、子育てのことを考えると収入面で不安がありました。日々生活していく大変さを実感するなかで「毎日安心して暮らすためには、世の中の制度やしくみを知る必要がある」とFPの資格に目が留まります。働きながら勉強できる職場探しから始めますが、2006年当時は子育て中の女性が転職するには厳しい社会状況。何十社も受けるなかでシングルマザーを受け入れる企業は少なく、苦戦しましたが「子育てをする女性でもイキイキ働けるモデルケースになってほしい」と理解を示してくれた大手金融機関へ転職が決まり、道が開けました。





 金融機関では、個別相談専門の部署でFPの資格を取得しながら、当時はまだ浸透していなかった『100歳人生』を見据えたプランニングを行っていました。「思った以上に忙しくて、子育てをしながら働くのは、とても大変でした」





 保育園の送迎や夕飯づくり――。日々の生活に追われるなかで助けになったのが、お迎えを代わりに行ってくれた近所の先輩ママや保育園のママ友でした。「自然と声をかけてくれる優しい人に出会えたことで、仕事が続けられました。身近なコミュニティーの大切さに気が付きました」と話します。





資格を活かし街へ





 「20代のときにもFPの資格を取ろうと思いましたが、難しくてあきらめていました」と振り返り「生活をプランニングしていく必要性を身近に感じたことが『資格を取得したい』というモチベーションに繋がりました」と待望のプランナーに。自ら考えたコンテンツをプレゼンコンテストで発表するなど、社外での活動も増えるなかで「お金の悩みや不安を解決するのは、金融商品だけではない」との思いが芽生え、個人事業主として13年に独立しました。15年には、再婚し第2子が誕生しています。





 現在はFPの仕事の傍ら、多様な人が集うKosha33ライフデザインラボ=中区日本大通=のコミュニティーマネージャーとして、様々なワークショップの企画などに携わり、子育てをする親との情報交換を通して、「自分自身で明日を描く楽しさ」を伝えています。





価値観に縛られない





 娘を保育園にあずけていたときは、毎日迎えが1番最後。「ある日娘が『こんなきれいなお月さんを帰りに見られるのは、ママと”私”だけだね』と嬉しそうに教えてくれました。さまざまな働き方や家族のあり方があるなかで『こうすべきだ』という指標がないことに改めて気づかされたのです」。そして「娘が『働き方』を考える年齢になったときに何らかの指標になっていたい」と感じました。





 最後に「仕事と生活のバランスを取る時代から統合していく時代へと変化してきています。様々な価値観があるなかで、今ある身近な環境から自分の明日を描いてみてはいかかでしょうか」と笑顔で呼びかけました。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

中区・西区・南区 社会の新着記事

中区・西区・南区 社会の記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS