横浜市寿町健康福祉交流センター=中区寿町=で生活困窮者らが、コロナ禍の差別や偏見防止を呼びかける「シトラスリボン」を作成している。中区役所と連携した事業の一環で、作成したリボンは来庁者向けに配布。今までに1700個以上を作成した。今後も同リボンを制作し、区民に届けていく。
シトラスリボンは、コロナ禍で生まれた罹患者や医療従事者に対する差別や偏見をなくそうと愛媛県で始まった取り組み。「地域」「家庭」「職場(学校)」を表す3つ輪をかたどったシトラス(柑橘)色のリボンで、思いやりのある社会を目指していく意味が込められている。
中区役所は、同リボンの趣旨に賛同し職員の有志で「中区シトラスリボンプロジェクト」を展開。そのメンバーで中福祉保健センター生活支援課の坂下新悟係長の働きかけで寿町健康福祉交流センターを運営する(公財)横浜市寿町健康福祉交流協会との連携が始まった。
慈善活動の一環
同協会では、主に寿地区に居住する生活保護受給者や生活困窮者を対象に中区の委託を受け「寿いきいきライフ事業」を実施。社会との関わりを維持することや、地域貢献に取り組むことを目的に清掃活動や草刈り、ものづくりなどを行っている。シトラスリボンの作成は、この活動の一環で今年8月から開始。約10人が携わり1700個以上作成されている。
中区役所で配布
リボンの作り方は、同センターの職員が資料を作成したり、補助器具を作るなど、誰でも取り組めるように工夫。さらに、結ぶ人や袋詰めする人など役割を決めながら分担作業で進めている。完成したリボンは、中区役所の本館1階受付窓口や別館1階のナカナカフェなどで配布。今年9月末には、同センターの職員が直井ユカリ中区長に手渡した。同活動の参加者は「リボンを結ぶのはなかなか難しいが、手に取ってくれる人がいるので嬉しいです」と笑顔で話す。
また、同センターの職員は「今まで実施してきた活動が誰かの目に留まる機会はなかなか少なかったですが、作ったリボンが区役所に置かれていることを参加者が実感できるので、やりがいに繋がっているようです」と話している。
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