中区・西区・南区 人物風土記
公開日:2026.02.19
横浜本牧絵画館の支援プログラムに選ばれ作品展「秘密の花園」を開く
岩崎 拓也さん
中区本牧在住 37歳
「見えざるものを描く」
○...「まさか選ばれるとは思っていなくて、うれしい気持ちでいっぱいです」と地元の美術館で展示ができる喜びを表現する。今回の展示テーマが生まれたのは学生時代。講評で教授から鬼の形相で怒られた。「本当にショックで、描けなくなった」。考え抜いた末に浮かんだ言葉が「秘密の花園」。その景色を求めて日本全国に足を運び、切り取った風景を絵画に昇華してきた。温度や湿度、においなど「目に見えないものを見えるように」──そんな思いで絵筆を握る。
○...デザインの専門学校でデッサンするうち、本格的に絵を学びたい気持ちが芽生えた。東京芸大を目指し20歳から受験勉強を始め、5浪の末、25歳で入学。「3年目で心が折れましたが、引くに引けなかったんです。何とかギリギリで合格しました」と苦笑い。当時の「絵を続けたい」という熱量を、幾多の賞を受賞した今も変わらず持ち続ける。
○...絵を描くことに疲れたら、樹脂粘土でキノコを作る。「1日1〜2個は作っている。種類が多くてモチーフとして飽きないんです」。「松人(まつじん)」というアーティスト名は、幼い頃、弟が見えていたというキノコの妖精の名前から。「今は、その弟の娘が、『あそこに何かいるよ』って暗がりを指をさして教えてくれるんです」と笑う。
○...現在は女子美大の非常勤講師などを務めつつ、生まれ育った本牧で子どもから大人まで、誰でも通える絵画教室を開く準備を進める。「秘密の花園」に次ぐ新たなテーマは「静物画」。「なんてことない瓶も絵にすることで『美』になるんです」。美大受験の時に山ほど描いたモチーフを、今の経験と技術で描いたらどうなるのか。「原点に戻って、新しい価値を生み出せたら」
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