高齢者の孤立が問題となる中、75歳以上のひとり暮らしの高齢者を対象にした見守り推進事業が9月から10月にかけて別所地区で行われている。これは、事業を全区で行うために試験的に実施されているもの。区から個人情報の提供を受けた民生委員が個別訪問活動を行い、高齢者の孤立防止に役立てていく。
市は地域とのつながりが薄いことなどが原因で、見守りから漏れていた人に、支援を行き届かせようと、「ひとり暮らし高齢者『地域で見守り』推進事業」を企画。区が住民基本台帳などで把握する個人情報を、民生委員と地域ケアプラザなどが担う地域包括支援センターに名簿として提供。民生委員が対象の高齢者宅を訪問し、必要に応じて区や同センターと支援の必要性などの情報を共有していく仕組みだ。
昨年10月に戸塚、瀬谷など9区の25地区でモデル事業として実施。南区では来年度中の全地区実施を目指し、今年度は別所地区をモデル地区に指定した。
南区では1994年から65歳以上のひとり暮らしの希望者を対象に民生委員や友愛活動推進員らが家を月1、2回訪れる「定期訪問事業」を独自に行ってきた。住民基本台帳では、同地区の75歳以上のひとり暮らしは345人。このうち、民生委員が定期訪問している人や隣接する家に子どもが住んでいるなど、すでに生活状況がつかめている人を除いた対象者に訪問を知らせる個別通知を発送。同意を得られたのは61人だった。
9月末から同地区の9人の民生委員が対象者を訪問。10月中旬までにほぼ回り終えた。民生委員児童委員別所地区会長の渡邉佳世子さんは「自分が回った範囲では、みなさん元気だった」という。当初、民生委員の中には訪問する対象者が多くなることを心配する声もあったというが、1人の受け持ちが数人にとどまったことで、渡辺さんは「今までの定期訪問の延長線上で活動できる」としている。
区福祉保健課によると、6月末時点で南区内の75歳以上のひとり暮らしは8418人。別所地区の状況を踏まえながら、来年度中に全地区での実施を目指す。同課では「従来の定期訪問事業や災害時要援護者支援事業とも調整しながら、南区ならではの取り組みを行いたい」と話している。
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