〈連載〉さすらいヨコハマ47 横浜が生んだスター 大衆文化評論家 指田 文夫
横浜は開港してから約160年しか経っていないが、多くのスターを生んでいる。
まずは女優の原節子。保土ケ谷区月見台の生まれである。保土ケ谷にある明倫高校出身の美人女優が藤山陽子だったが、明倫高校は現在「横浜清風高校」に校名が変わっている。
『男はつらいよ』で渥美清との名コンビを見せた森川信も南区中村町の生まれで、戦時中に作家の坂口安吾が彼を関西の小屋で見て絶賛している。意外なことに、関西漫才の夢路いとし・喜味こいしは、鶴見の出身である。
しかし、横浜が生んだ最大のスターと言えば、磯子区滝頭の美空ひばりである。彼女は150本以上の映画に出ているが、『伊豆の踊子』(1954年、監督・野村芳太郎)、『たけくらべ』(1955年、監督・五所平之助)といった名作にも出ているが、この2本では歌は歌っていない。女優としての自信を示すものだろう。
(文中敬称略)
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