南区の郵便局長12人が年金制度について普及・啓発を図る目的で活動する「年金委員」に8月から就任した。県内の郵便局で局長が一体となって同委員に就任するのは初めて。コロナ禍もあり、郵便局側と利用者が地域で接する機会が減少する中、局長らは年金制度の周知や説明を通して、年金事務所とのパイプ役を果たそうとしている。
「年金委員」は、厚生労働大臣から委嘱を受けて、年金に関する国や日本年金機構のサポーターとして、公共サービスの一翼を担うもの。「地域型」と厚生年金保険が適用される事業所で活動する「職域型」の2つの区分がある。今回、郵便局長が委嘱されたのは「地域型」で、同機構によると、今年3月末時点で全国で約5300人が活動。南区では19人が委嘱されている。
研修などを通して、厚生年金保険や国民年金の適用や保険料に関する啓発、相談、助言などを行っていく。
コロナ禍で地域交流減
各地の郵便局長らは、局内での顧客とのやり取りのほか、町内会のまつりなどの行事に参加するなど、地域とのコミュニケーションを重視してきた。そこで構築した関係を郵便局の利用につなげていた側面もある。しかし、コロナ禍で地域行事がほぼなくなり、郵便局側は住民との接点減少を課題としていた。
同機構横浜南年金事務所=宿町=は、年金制度をより多くの人に知ってもらおうと、地域住民との接点が多い南区内の郵便局長に同委員の委嘱を依頼し、快諾された。同事務所によると、郵便局長をまとめて同委員に委嘱するのは県内で初めてだという。
横浜中島町郵便局の前田彰久局長は「局の窓口では、利用者から年金の請求方法や支払いに関する相談が少なくない」という。委嘱を受けたことに関し、「コロナ禍で私たちが地域に出向けない中、年金に関するポスターやチラシを局内に掲示、配架することで地域の役に立てるのではないかと考えた」と話す。
年金事務所とのパイプ役
8月26日に同事務所で委嘱状の交付式があり、12人の局長が十川友子所長から委嘱状を受け取った。十川所長は「地域の皆さんと年金事務所を結ぶパイプ役として、とても心強い」と話した。12人の局長を代表し、横浜永田郵便局の服部肇局長は「身が引き締まる思い。地域の方の良き相談員として、年金制度の普及・啓発に努めたい」と応じた。
各局長は同日、同委員としての活動内容などに関する研修をオンラインで受講。今後は、局内に年金制度に関するポスターを掲示するなどしていく。また、郵便局内でも研修を行い、局員の年金制度の理解も進めたいという。
十川所長は「公的年金について理解していただき、制度への不安をお持ちの方が少なくなれば」と局長に期待していた。
南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>