横浜市はシェアサイクル事業を7月から市内都心部以外にも拡大するため、社会実験を始めた。実験は公共交通機関の補完として、住民の移動手段の選択肢を増やすことなどが目的。民間事業者と協定を結び、自転車を買い物や通勤・通学の手段として広めていく。
市は2011年から13年に中区や西区などの都心部でシェアサイクルの社会実験を実施。14年からは「ベイバイク」の愛称で30分単位で利用できる事業を始めた。
設置されたサイクルポートを相互に利用でき、借りた場所と別の場所に自転車を返却することもできる。ポートは南区では区役所前のほか、地下鉄阪東橋駅周辺などにある。3月末時点で中、西、南、神奈川の4区にベイバイクのポートが110カ所あり、900台が稼働している。
ベイバイクが始まった14年の平均利用回数は1日500回に満たなかったが、21年度には約3100回に増加。観光スポットや商業施設の近くにポートがあり、来街者や観光客の利用が多いという。登録者は約18万人。
通勤・買い物の手段に
市は都心部以外での日常的な通勤や通学、買い物などの利用を想定し、シェアサイクルを市内全域にも広げようと、すでにベイバイクを実施している株式会社ドコモ・バイクシェアに加え、ソフトバンク系のOpenStreet株式会社と6月に協定を締結した。市内を南部、北部、中部の3区域に分け、北部と南部をOpenStreetが、中部をドコモ・バイクシェアが担当して事業を実施している。
協定締結以降、サイクルポートの増設を行い、これまでに全18区へ設置された。駅に近い公有地のほか、コンビニなどにも設置。鶴見、神奈川、磯子、金沢、瀬谷、泉、戸塚の7区を「重点展開区」とし、特にポートを増やしていく。自転車は2社合わせて450台を用意した。
事業者間利用できず
利用にはスマートフォンでアプリをダウンロードする必要がある。アプリは事業者ごとに別のもので、料金体系も違う。シェアサイクルを異なる事業者間で利用することはできない。市道路局は「実証実験の中で課題について2事業者と協議していきたい」と話す。
協定締結時に山中竹春市長は「シェアサイクルのニーズは郊外でも高まっている」と需要が見込めるとの認識を示した。実験は25年3月まで。その後、本格的な導入へ向けて検討する。
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