南区 社会
公開日:2023.08.31
南区医師会
「休日急患診療所」がリニューアル
設備強化、9月3日から宿町で始動
一般社団法人南区医師会(池田嘉宏会長)が所有し、施設の老朽化などのため、建て替え工事を行っていた宿町の「南区休日急患診療所」が完成した。診察室を増設するなど、広々とした館内に生まれ変わり、感染症対策を強化。9月3日から診療を開始する。
地元で76年
同医師会は1943年に南区が誕生したことに伴い、1947年に南区医会として発足。2013年に現在の一般社団法人南区医師会となり、これまで在宅医療や災害対策、認知症対策などに力を入れてきた。
新型コロナの対応として、発熱外来、ワクチン接種、自宅療養支援を行っている。
休日急患診療所は日曜日や祝日などで診療所・病院が休みの際、南区医師会に所属する内科医、小児科医、耳鼻咽喉科医、看護師、薬剤師らが当番制で急病人を診察する機関。1979年から宿町で診療していたが、築40年以上が経ち、老朽化が進んでいたため、建替工事が決定。昨年6月26日から永楽町のケンコー本社ビル2階に仮診療所を開設している。
医師会によると、昨年は1268人、ピーク時の2014年は3850人が利用し、地域医療を最前線で支えている。
3階建て 開放的
新しい休日急患診療所は3階建てで、旭化成ホームズ株式会社が施工。「60年間、使い続けたい」という医師会の思いが込められており、耐震対策などの安全面を最優先した造りだ。
1階には診察室と事務局を設置。従来の診察室は大部屋を区切った仕様だったが、内科、小児科、耳鼻咽喉科ごとに部屋を用意した。患者のプライバシーに配慮し、感染症への対応などを強化した構造になっている。
2階には訪問看護ステーション、居宅介護支援センター、在宅医療相談室、医療的ケア児・者等コーディネーター拠点の機能を集約。医療とともに福祉、教育などをつなぐ役割を担う。
3階部分は災害に備えた会議室となっており、薬品だけではなく、水や簡易トイレなどを備蓄。災害救助隊が必要な資材もそろっている。
駐車場は19台が駐車可能。地下鉄蒔田駅から徒歩3分の立地だが、車を主な移動手段とする丘陵地帯で暮らす住民もアクセスしやすい。
屋上にソーラーパネルを設置。施設で使う電力の約半分は太陽光発電でまかなえるといい、環境保全に配慮している。
地域医療円滑に
南区医師会の医師が区役所からの委託を受け、特定健康診査、横浜市健康診査、各種がん検診、妊婦健診、新生児・乳幼児健診、予防接種などを担当。学校医、保育園医、産業医、地域ケアプラザ協力医などを務めているほか、10月の「南なんデー」などで医療相談を受け付けている。
池田会長は「南区医師会は地域医療を円滑に進めるための学術団体で、皆さまのかかりつけ医となっている地域の医師が所属しています。お気軽にご利用ください」と呼び掛ける。
■南区医師会休日急患診療所 南区宿町4の76の1 【電話】045・711・7000(9月3日からの電話番号) 日曜、祝日、年末年始の午前10時から午後4時まで(受付は9時30分から3時30分まで)。
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