デビュー25周年を迎えたアルゼンチンタンゴ歌手 小原 みなみさん 区内・狩場町在住
本場で身に付けた「情熱の調べ」
○…取材冒頭、まずはデビューからの歩みを振り返ってもらおうと構える記者の前に、膨大な資料と写真を抱えて現れた。さらにDVD映像を交え自身の活動をつぶさに解説する。そこには日本人には馴染みの薄いアルゼンチンタンゴの魅力を「本物を見せる」事で分かってもらいたいという、強い願望が感じられた。
○…猪突猛進型で負けず嫌い、さらに高いプロ意識で道を切り開いてきた。タンゴとの出会いは30代後半と遅咲きながら、子育ての合間を縫って猛勉強の末、スペイン語を習得。「どうせ学ぶなら本場で」と、飛行機で32時間かけて何度も短期留学を繰り返し、現地では”巨匠”と崇められる歌手に師事。元々ピアノ教師という素養も手伝ってメキメキと頭角を顕し、その情熱的な歌い方で外国人の聴衆を魅了。各国でリサイタルを成功させ、南米最大のフェスティバルでは10万人規模のステージにも出演するなど、日本人歌手『コハラ ミナミ』の名声は、今も海外でも轟いている。
○…さらに民謡とタンゴをアレンジした独自の編曲で文化交流の一翼を担うなど活躍の幅を広げている様子。現在は歌手生活25周年を記念して12月に県民ホールで開催するコンサートに向け、準備に忙しい日々を過ごす。常に妥協を許さぬ姿勢を貫き、ステージ構成から共演者の選定、プログラム作成などを一人でこなしているだけに「心のこもり方が違いますよ」とキッパリ。晴れ舞台に向けて、体力作りのスポーツクラブ通いも順調との事で、充実感漂う笑顔をみせてくれた。
○…こうした功績を紹介した過去の新聞記事などを見せてもらっているうちに、予定時間を大幅に超過してしまった今回の取材。だが自慢話を聞かされた感は一切なく、むしろアルゼンチンタンゴへの興味がわいた。前出の巨匠の名前が「オズワルト・プグリエーゼ氏」だという事を、最後にはすっかり覚えてしまったのも、その証なのかもしれない。
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