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保土ケ谷区 人物風土記

公開日:2014.01.30

保土ケ谷区老人クラブ連合会の会長を務める
和田叔也(しくや)さん
西久保町在住 82歳

無私無欲でどこまでも

 ○…「これまでの会長方がされてきたことを継承しただけ、大したことはしていない」。8000人を超える会員を有する組織のトップでありながら、その姿勢はどこまでも謙虚だ。区老連は現在創立50周年を迎えている。式典や記念誌の製作など、この1年は多忙を極めた。そんな毎日を笑って振り返る表情には、安堵の色も。現在2期目の区老連会長職も、3月に任期満了となる。

 ○…若い頃は証券会社の営業マンとしてがむしゃらに働いた。バブルの頃には不動産関係の関連会社に出向。「時代を楽しませてもらった」と不敵に笑う。多額の金が目まぐるしく動く世界は楽しかったが、大きな組織は多少息苦しくもあった。「定年後は悠々自適に生きよう」と思っていた。好きな読書や旅行を満喫できると思い、定年が楽しみだった。

 ○…老人クラブ活動の原点は「健康・友愛・奉仕」。自分のために生きると決めていたため、全く興味がなかった。転機が訪れたのは1995年の阪神淡路大震災。その被害の大きさに、衝撃を受けた。「自分はこのままでいいのか」と自問自答する日々。「少しでも人の役に立てることがあればやろう」と決意し、「無私無欲」の生活が始まった。それまで消極的だった町内会の活動に参加。以来、約20年間に渡り地域活動にまい進してきた。

 ○…子どもや孫とは一緒に旅行をする仲だ。「孫と会話するから常に新しい流れを知っておかないと」と、今も読書は続けている。ここ数年は海外にも足を延ばす。旅先では、新たな刺激に出会いやすい。エクアドルでは、バスガイドが自分のサンドイッチを路上生活をしている子どもたちにあげていた。「自分の生活だけではない、相手を想う気持ちを学んだ」。82歳にして、学ぶ姿勢を崩さない。「その立場にならないとわからないことはたくさんある」と、目標としている100歳まで学び続ける。

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