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保土ケ谷区 人物風土記

公開日:2014.03.27

福祉施設の慰問など地元を中心に活躍するマジシャン「ミスター珍弦齋」こと
入江 のぶ夫さん
上星川在住 77歳

ピンチこそ楽しい



 ○…本業の傍ら、マジシャンとして活動して約40年。区内のイベントや福祉施設を回り、マジックを披露している。その活動が評価され昨年12月には保土ケ谷区社会福祉協議会から、表彰状が贈られた。マジックの魅力は一瞬の楽しさ。時の総理大臣の前で披露したこともある。「もう一回やってと言われたけど、総理に頼まれてもマジックは2回できませんとお断りしたよ。残念と言っていたけど」と大きな声で笑った。



 ○…芸名の由来は、野菜のチンゲンサイから。カンフー服を着てステージに立ち中国語を話しながら披露するため、中国人のような響きが気に入った。最近は子どもたちの前で披露するの楽しみの一つ。「喜ぶ姿が嬉しいね」と優しい笑顔に。子どもたちを見守りたいと、登校時に上星川駅前で旗を持ち保護誘導も始めた。子どもたちからは珍先生と呼ばれている。



 ○…香川県坂出市出身。妻と二人で上星川に住む。若いころ通った居酒屋のマスターのマジックを見て虜に。独学ではじめ自身が経営した飲食店でも、お客さんに披露。「預かった1万円が千円に変わったりしてね、驚いていたなあ」と懐かしむ。独学に限界を感じ、Mr.マリックにも入門。にぎわい座など大きな舞台にも出演した。定年だからと飲食店は閉めたものの、友人が経営する靴修理の仕事場を見たら、魅了され技を学び開業。「今はマジック7割で仕事は週2、3日」と苦笑い。ゆっくりした日々はまだ先だ。



 ○…「ピンチを乗り越えるときが楽しい」と語る。ステージで失敗することもある。あせらず冷静を装い、どんなどんでん返しをするかを考える。「うまく乗り越えたときは本当におもしろくて」と話す言葉に力がこもる。ステージではカンフー服でも、仕事では必ずネクタイを締めるのが飲食店時代からのこだわり。「気持ちがシャキッとするでしょ」と、二つの顔を存分に堪能している。

 

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