「危険ドラッグ」と呼ばれる、違法性の極めて高い物質の常習者が運転中に死亡事故を起こすなど、社会的に問題視されている事を受けて、保土ケ谷区でもその撲滅に向けた対策に本腰を入れ始めている。
医師も警告
「ハーブ」「アロマオイル」などと偽って販売される「危険ドラッグ」ついては近年、全国的に健康被害や事件、事故が急増。保土ケ谷区医師会の山口哲顕会長は「物質的にみれば覚せい剤や麻薬とほとんど同じ。幻覚や幻聴、強い常習性も伴うため大変危険」と警告。自身が院長を務める新井町の精神科病院にも危険ドラッグを使用したとみられる患者が幾度となく担ぎ込まれており「地元の医師会として今後、薬物の健康への悪影響を周知する取り組みなどを検討していきたい」と話している。
「身近な存在」強調
これまでは「合法」「脱法」などいわゆる”グレーゾーン”とされてきた「危険ドラッグ」。だが今年春の薬事法改正で現在は所持しているだけで犯罪となる。
保土ケ谷警察署(横田善信署長)の薬物銃器担当者によれば「今年春までは、所持者をみつけても逮捕できなかった」と苦しかった実情を吐露。しかし法改正後は、販売店の強制捜査に乗り出すなど、取り締まりをより強化している。未だ管轄内での検挙者はいないものの、隣接エリアである伊勢佐木町などで危険ドラッグを販売する店舗が次々摘発されている事から「地元住民にとって(危険ドラッグは)決して縁遠い存在ではない」と強調。常習者は購入のために車で出掛け、入手後即、服用するケースが多いため「区内の幹線道路等で交通事故が発生した際、ドライバーの挙動に注意を払い、おかしな言動があればまず薬物使用を疑っています」と話すなど、検挙に向け力を入れていく方針を打ち出している。
経験者招く
罪を犯した保護観察者更生のためにボランティア活動を行う保土ケ谷区保護司会(北村美代子会長)では、保土ケ谷署協力の下、危険ドラッグ撲滅に向けた広報活動を拡充。10月18日(土)に保土ケ谷公園で行われる「区民まつり」でPRブースを設けて危険ドラッグの健康への悪影響を視覚的に訴える「パネル展」を行うほか、薬物乱用防止を訴えるDVD作品を上映する。
さらに薬物乱用からの立ち直りを支援する「ダルク」という施設から、実際に危険ドラッグを使用した経験者を招き、更生プログラムの一つ「エイサー」(沖縄の伝統芸能)を披露してもらう予定。北村会長は「薬物使用から必死に立ち直ろうとする姿から、区民の方々に危険ドラッグの恐ろしさを少しでも感じてもらえれば」と話している。
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