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保土ケ谷区 人物風土記

公開日:2023.11.23

創立100周年を迎えた横浜清風高校の理事長を務める
藤井 義章さん
岩井町在勤 74歳

卒業生が胸を張れる学校に

 ○…関東大震災のあった1923年に開校。仏教精神に基づく智慧と慈悲を教育目標に掲げ、市内の高野山真言宗寺院の関係者が代々運営してきた横浜清風高校。100周年を迎えた今年は生徒主体の記念式典を9月に県民ホールで行い、先日は関係者を招いた祝賀会を開催した。一連の記念事業が無事終わり「やっと一段落付いたかなという気持ち」と胸をなでおろす。

 ○…学校との関わりは15年前。高野山真言宗の神奈川支所長就任に合わせて学校の評議員となり、90周年の時は実行委員長として新校舎設立など記念事業に携わった。理事長としてはこの年末でちょうど10年。少子化により生徒数減少が見込まれる中、文武両道をめざして進学率向上に取り組んだ。とはいえ目指すところは進学校ではない。「卒業してから『私は横浜清風の卒業生です』と胸を張って言えるような学校にしたい」とまっすぐな表情で話す。

 ○…週に2、3回学校に出勤する以外は、実家でもある南区平楽にある増徳院の住職を務める。もともと寺を継ぐ意思はなく大学は経済系の学部に進学したが、在学中に休学し高野山で修行。復学し卒業してから、寺の仕事を手伝うと同時に仏教学部に入り直した。「いろいろ回り道をしましたが、おかげさまで経済を学んだことが学校の経営にも役に立っているかもしれませんね」

 ○…「物の興廃は必ず人に由る。人の昇沈は定めて道に在り」。祝賀会のあいさつで触れた弘法大師が残した言葉の一説だ。「学校が栄えるかどうかはそこに携わる人の考えや信念に基づく精進や努力、優しさがあるかどうかで決まるのではないでしょうか」。次の100年への出発点に立った今、この想いを礎に新たな道を歩んでいく。

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