神奈川県はこのほど、県内全域の7月1日時点での基準地価を公表した。横浜市、川崎市では上昇傾向が見られ、鶴見区も5年ぶりに回復。住宅地の変動率が市内3位、工業地でも県内トップの上昇をみせるなど、回復傾向を強めている。
基準地価は土地取引を適正かつ円滑に行うために、不動産取引価格などを元に公示する客観的な価格だ。住宅地、商業地、工業地に分類して定められ、今回の調査では横浜市などの交通利便性の高い地域ではいずれも回復傾向がみられた。
区内も回復傾向
鶴見区内でも5年ぶりに地価の上昇傾向が見られた。住宅地10地点、商業地7地点、工業地2地点で調査。特に、住宅地の平均変動率は1・8%(昨年マイナス0・1%)と市内3位、工業地は3・2%(昨年マイナス0・1%)で県内トップとなるなど、回復傾向がみられた。
区内の住宅地で最も上昇したのは、「獅子ヶ谷1丁目1174番10」。変動率は市内でも3位に位置する3・6%だった。次いで「梶山2丁目469番35」(2・9%)、「馬場1丁目1430番3外」(2・7%)と続いた。
一方工業地でも3・2%(昨年マイナス0・1%)と、他を大きく引き離しての県内トップ。最も伸びたのは「安善町1丁目2番8外」の3.5%だった。
「マンション化」が要因
太陽不動産コンサルティング(株)=馬場4の10の7=の田口陽一社長によると、区内地価上昇の要因は「マンション化」が背景にあるという。今年上半期の区内分譲マンション着工戸数は920戸で市内トップ。田口氏は「リーマンショック以降、潜在的な投資ニーズはあった。金融緩和と円安、増税前の駆け込み需要などで、都内へのアクセスのよい鶴見での不動産取引は活発化した」と話す。
工業地の上昇について田口氏は、主幹線道路への利便性に加え、「ネット販売の普及」を要因とした。倉庫などの物流の拠点として人気が高まっているという。
購入には冷静な判断を
しかしながら、土地の良し悪しについて田口氏は「全体の平均ではなく個別の地域でみるべき」と話す。今後2年は上昇傾向にあると予想するが、「増税や金融緩和によって左右される。地価だけでなく、金利や税制など、複合的な視点が重要」とし、土地購入の際には冷静な判断を下すよう呼びかけている。
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