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万全なき治水 計画残20年 雨水貯留用地減 目標遠く

社会

掲載号:2015年9月25日号

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市街地に囲まれた鶴見川
市街地に囲まれた鶴見川

 茨城県常総市で台風の大雨により鬼怒川が決壊し、大きな被害が出ている。鬼怒川は過去にも氾濫し、水害を引き起してきた「暴れ川」。区内を流れる鶴見川もまた同様に、江戸時代以前から洪水の多い川として恐れられてきた。鶴見川を管理する京浜河川事務所は、「様々な対策が現在も進んでいるが、危険は常に潜んでいる」と話す。流域自治体は2007年に「鶴見川流域水害対策計画」を策定しているが、残る期間は約20年。鶴見川の特徴と水害対策を取材した。

市街化が水害助長

 9月7日に発生した台風18号の記録的な大雨の影響により、茨城県常総市では10日、鬼怒川の堤防が決壊。2人が死亡し、約1万1千世帯が浸水する被害に見舞われた(9月18日現在)。

 鶴見川でもかつて、今回の鬼怒川を上回る被害を引き起す水害が起きている。1958年9月に発生し戦後最大雨量を記録した台風22号(狩野川台風)では、各所が決壊。横浜市内は2万4千戸以上が浸水した。

 「暴れ川」の性格は江戸時代以前から。鶴見川は、高低差が小さいことや、勾配のゆるさ、蛇行の多さなどにより、水が流れにくい地形。また、降雨が川へ集まる範囲である流域面積が狭く、流れの悪い川に短時間で一気に大量の水が集まりやすいことが、洪水が発生しやすい一因だ。

 さらに、昭和30年代中頃からは急激に市街化が進行。地表がアスファルトに覆われたことで、雨が地面にしみこまず、より水害が起こりやすくなった。

流域一帯で対策

 洪水などを防ぐため河川を改良する「治水」対策には、川幅を広げたり、堤防を作るなどの方法がある。

 しかし、鶴見川の場合、市街地と隣り合わせのため、川へ手を加える方法には限界がある。

 そこで実施されているのが「総合治水」だ。

 築堤などの河川対策に加え、雨水を溜めて川の水の流出を抑制するための調整池などを作る流域対策、低地の水の排水を促すポンプ場などの下水道整備など、流域自治体一帯が協力し、様々な方法の水害対策がとられている。

 区内では、今後国土交通省による河川対策として、河道掘削などが実施される予定。狩野川台風相当の洪水を安全に流下させるレベルを目ざす。

許容雨量半分届かず

 2007年には「鶴見川流域水害対策計画」が流域自治体などの共同で策定され、概ね30年間を対象期間に対策が進む。

 横浜市は、計画に基づく流域対策として急激に雨水が流れ込むのを防ぐ貯留施設を整備するが、雨の許容容量は、まだ目標の半分にも満たない(13年現在)。

 市担当者は、「他自治体と比べても目標値が約19万㎥と高く、整備着手できたとしても年間1カ所ほどのペース。地域の協力も必要。施設を作れる場所も減っている」と施設設置の課題を話す。

 市は、貯留施設のほか、雨水が浸透しやすい道路の舗装や自然環境の保全などにも取り組んでいる。

絶対安全はない

 鬼怒川での豪雨が鶴見川でも降った場合の危険性について京浜河川事務所は、「単純に雨量で安全性は量れない。整備の基準としている狩野川台風に耐えられるからといって安全とも言えない」と話す。「どんなにハード面を強くしても、近年の雨の降り方は激しい。短時間で大量の水が一気に流れ込む鶴見川の特性も考えると、万が一の避難行動を日頃から十分に考えておくことが必要」

 より早く安全に避難するために、自治体などの指示を待って行動するだけでなく、自ら情報を収集することが重要と同所は指摘する。今回の災害を機に、水害への備えを見直したい。
 

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