戻る

鶴見区 トップニュース社会

公開日:2015.11.19

鶴見区
川崎市隣接2区と協定
避難所相互利用など

  • 協定を結んだ征矢区長(左)ら

 鶴見区は11月12日、隣接する川崎市川崎区、同幸区と防災を中心とした包括連携協定を結んだ。これにより、災害発生時には市域を超え、避難所の相互利用などが可能となり、生活範囲に即した安全・安心対策が図られる。征矢雅和鶴見区長は「2区との協定は心強い。地域の方の満足度向上のため、様々な分野で連携を強化していきたい」と意気込む。

 今回の協定は、昨年、横浜市と川崎市との間で結ばれた待機児童対策に関する協定締結に際し、征矢区長と、上野葉子幸区長が情報交換をする中で発案。川崎区も交え3者で協議を重ねてきた。異なる政令市の区同士で協定を結ぶのは、全国的にも珍しいという。

震災以降、住民要望強く

 幸区と隣接する矢向・江ヶ崎地区は、大規模災害時に避難する広域避難場所が三ツ池公園に指定されており、鶴見川を渡る必要がある。住民からは以前から「隣接する川崎市の避難場所を使えないか」といった要望があり、東日本大震災以降、強くなっていたという。

 協定はそうした課題解決に向け、区境等にある小中学校といった避難所の相互利用など、防災対策での連携を中心とした。また、防犯面では、パトロールや放置自転車対策のほか、犯罪情報の共有も視野に入れているという。区危機管理担当者は「災害や犯罪に区の境目は関係ない。隣接行政が同じ方向を向くことが大事」と話す。

矢向、市場とも定員超

 矢向・江ヶ崎地区と、川崎区と隣接する市場地区周辺は、近年マンション建設が相次ぎ、区内でも特に人口増が目覚ましいエリアだ。

 鶴見区のまとめによると、両地区で避難所となる矢向小・中学校、市場小・中学校とも、現時点で発災時の避難者想定人数が定員を超えているという。

 両地区とも川崎市側に避難所が多数あり、「メリットは大きい」と区危機管理担当者。多摩川と鶴見川に挟まれた地形のため、今年9月に台風の影響で氾濫した茨城県鬼怒川のように、仮に氾濫したとしても川に向かって避難しなくて済むとしている。

住民歓迎も連携課題

 今回の協定締結を受け、矢向地区連合町内会の鈴木憲三会長は「取組は非常に良いもの」と歓迎。一方で、「川崎の避難所がどこなのか、近所でも知らない。色々な課題も出ると思う」と、住民単位での連携も必要だとした。

 今後、区は各自治会ら地域防災拠点運営者に周知を図った上、帰宅困難者対策など合同訓練を実施する考え。避難所同士で相互に受け入れを行い、住民の顔の見える関係を築きたい意向も示している。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

鶴見区 トップニュースの新着記事

鶴見区 トップニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS