光瑞山天王院(生方常明住職=人物風土記で紹介)で10月24日、文政以前から続く伝統行事・大師講があった。区内の天台宗の寺院7人と区外から5人、併せて12人の住職が集まり、経典『大般若経』を転読した。
大師講とは一般に11月23日夕方から24日にかけて行われる民間行事で、小豆粥などを食べるとされる。
毎年、住職らが集まり、天王院で行われている大師講は、全600巻の『大般若経』の転読。長大な経典であるため、現在では折本の形で10冊1組、5組ずつ12箱に収め、住職が短い経典などを読みながら、折本をめくることで通読したこととしている。
経典は大きく広げ、1巻転読を終えるごとに、箱に叩きつけ、大きな音を立てることが特徴で、巻き起こる風や音によって邪気や煩悩を払うことが目的とされる。
鶴見の習俗が書かれた『千草』や『佐久間日記』によると、天王院の大師講も以前は11月23日に行われ、小豆粥など振舞い、秋の収穫に感謝する祭だった。昭和初頭に一度途絶したが、昭和後期になって現在の『大般若経』の転読という形で復活。10月に行われるようになったのは、同宗派の本山・延暦寺で行われる高祖・天台大師の報恩会(天台会)に合わせていると推測される。
当日は鶴見神社の金子元重宮司による田祭りなど、鶴見の歴史の話もあった。訪れた檀家など約40人は、神聖な雰囲気に気持ちを新たにした様子だった。
生方住職は「今生きている皆様のための行事。多くの人に知ってもらえれば」と話した。
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