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神奈川区版 公開:2012年8月23日 エリアトップへ

連載寄稿 イルカ博士の生命感動日記 【2】心の子育て いまからでも遅くない人間化

公開:2012年8月23日

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 今回は「赤ん坊の人間化について」です。ヒトが持って生まれるテーマは二つあります。【1】人間になること【2】自分になることです。哺乳類の中で、巨大な脳を持った赤ちゃんだけが「心は10年間の生理的早産」という仕組みを持ちました。

 教育熱心な大人がこのルールを無視し、赤ん坊に学習塾通いをすすめることは、人間教育の基盤のない砂上の楼閣をつくることになりかねません。〈親の遺伝子を受け継いで善く生きようと生まれてきた人間は愛してくれる人、尊敬する人からのみ伝統を受け継ぐようにプログラミングされている〉。これは動物学者のローレンツの言葉です。つまり「大人が善くなれば、子どもも善くなる」のです。ところが、今の大人たちは迷いが多く、自分を好きになれず、ありのままの自分を認めることができない。子どもはそれだけで、気持ちが不安定になり情緒が育たない。0歳からの乳幼児期は「感性のめざめ期」ですから、まずはこの子を「善き人に育てよう」と覚悟を決めることです。赤ちゃんがよりよく生きようとして生まれてきた生得性を引出し覚醒させることが、大人や親に任されているのです。必ず絶対的愛情が「善き資質」を選別してくれますから、自信をもってあなたの子の感性を目覚めさせてください。次に3歳以降の幼児期は、自我が芽生えるので躾・訓練の時期です。遊び・好奇心・模倣を通して感性を育て、我儘を抑えられる人間にしてから、青年期で知性を仕上げるという順序が生物学的に必要です。知性の前倒しはいけません。いわゆる試験のための学力は気にしない。時期がくれば意欲が学力をつくります。ヒトの赤ちゃんは33カ月になると、脳のニューロン回路も出来上がり、本能ではなく自意識がこの調節をするように仕組まれています。体の自己免疫機能などは自然に与えられましたが、「心の自己組織化」は仕組まれていません。赤ちゃんは3歳のころから心の調和をはからなければなりませんが、自分で意志をコントロールできません。様々な「欲」を制御しなければ、感性と知性の調和ある精神機能をとることができないからです。いつの時代も、幼児期から道徳の訓練を受け入れた人間は、よりよく生きるための向上心を燃やすように創られています。つまり人間だけは、道徳・躾によって意志が新しい自分を発見することができるのです。

【日本ウエルネススポーツ大学特任教授・岩重慶一

(問)【メール】iwashige@gmail.com】
 

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