連載寄稿 イルカ博士の生命感動日記 【13】夏休み、イルカと遊ぼう
この夏も、和歌山県太地町のドルフィン・ベースでイルカとの交流が海で行われています。これまで私がふしぎに思ったことは、身体が不自由な子どももイルカと楽しくつきあえるということ。自閉症の子どもの場合、物事に対するこだわりが強いので、大人が良かれと思って与えたものを嫌がって拒絶することも多いようです。ところが、私の主宰するイルカの学校に来た子どもたちは何ひとつこわがることなく、積極的にイルカとかかわろうとするのです。
私はこうした体験から、今も大学で子どもとイルカのセラピーに関心を寄せて研究しています。米国のケネス・ノリス博士によると、イルカはおでこから高周波の音を対象物に照射して反射音を下あごの骨で受けて脳に送るという骨伝導で認知しているといわれます。私たちもお母さんのお腹の中にいたとき、イルカのように水中聴覚で音を聴いていました。胎児は子宮の羊水の中に浸っているため、耳の中も羊水で満たされています。聴覚は、中耳の骨伝導から内耳のリンパ液の振動を電気信号に変えて脳に伝えるものですから、幼児をイルカといっしょに水の中で遊ばせると安心感を与え、閉ざしがちなこころを開かせ、からだがリラックスすると感じる五感の体験になるのでしょう。
もし、この夏イルカと出会う機会がありましたら、子どもたちがイルカの声をどんなふうに聴いているか、どんな音に反応するかよく観察してみるのも親子の絆を高めることにつながるのではないかと思います。
(参考/自著『イルカと遊ぶ』P49癒しの高周波より)
【日本ウエルネススポーツ大学特任教授・岩重慶一
(問)【メール】iwashige@gmail.com】
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